eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を買わない4つの理由

投信ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤー2020の結果がでました。

その1位に『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』が選ばれたわけですが、私の考えではおすすめしない!と言うのは言い過ぎですが、個人的には9位のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方を実践しているので、比較しながら物申していきたいと思います。

そして最後には、どうしても全世界株式に分散投資したい方に向けて、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)以外の選択肢を提示してありますので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方がパフォーマンスが良い

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と米国株式(S&P500)の基準価額のチャートを比較します。

出典:楽天証券
青色:米国株式(S&P500)  オレンジ:全世界株式(オール・カントリー)

全世界株式の設定来である、2018年10月31日からの比較です。

世界同時株安の起こった2018年下旬からの暴落時は、さすがに全世界株式に分散しているだけあって、軍配は全世界株式の方が暴落率が低いです。

しかし基準価額の上昇率は、米国株式(S&P500)のほうに軍配が上がります。

aragaki
aragaki

急ですが、ちょっとここで質問です!

Q)株価が50%下落した場合、元の株価に戻るまでにパフォーマンスは、どのくらい上げなければいけないでしょうか?

A)150%ではありません

正解は200%です!

150%の上昇率では株価は元の75%までにしか回復しません!

何が言いたいかというと、一度基準価額(または株価)が下がるということは、資本が下がるということです。

そして資本が下がったということは、個人投資家でいうところの種銭が減ったということなり、種銭が少なければそれだけ利益も少なくなります。

少なくなった資本を回復させるには、大きな力が必要になってきます。

aragaki
aragaki

米国株式は全世界株式よりも暴落率で負けましたが、底からの這い上がる力が大きい!という話です。

チャートでは微々たる差のように思うかもしれませんが、底からの上昇力・回復力というのを評価してほしいです。

コロナショック時の比較

コロナショック直前からの比較チャート
青色:米国株式(S&P500)  オレンジ:全世界株式(オール・カントリー)

2018年の世界同時株安の時、米国株式(S&P500)よりも、全世界株式(オール・カントリー)のほうが暴落率は低かったですが、コロナショックの時はそうはいきませんでした。

上のグラフを見るとわかるように、両者の暴落率にほとんど差がありません!1%未満の差です!

コロナショックの暴落率
  • -33.81% 全世界株式(オール・カントリー)
  • -34.44% 米国株式(S&P500) 

これはいったいなぜなのか?

後ほど解説しますが、オール・カントリーの中身は過半数が米国に偏っているからです。

コロナショック以前の水準までに回復した期間
青色:米国株式(S&P500)  オレンジ:全世界株式(オール・カントリー)

つぎに、コロナショックで大暴落した基準価額が、暴落前の水準までに回復するまでに要した期間もひかくしてみると、米国株式(S&P500) のほうが早かったがわかりました。

つまり2018年の世界同時株安のときと同様に、全世界株式(オール・カントリー)は米国株式(S&P500)と比べて、暴落の時はわずかにパフォーマンスがよいのですが、長期で見た場合、そのパフォーマンスはけっして高くないのです。

つみたてNISAの場合、利益を最大化できない

NISAやつみたてNISAの場合、儲けた分の金額が非課税となります。

つまり払わなければならない税金(利益の約20%)が、そのまま自身の利益となります。

だったら最高のパフォーマンスを狙うべきです

つみたてNISA内では、パフォーマンスを重視したファンドを選んでほしいです。

全世界株式は債権が入っていない分、バランスファンドとまではいいませんが、分散しているために 米国株式(S&P500)にはパフォーマンスで劣ってきます。

どのくらいの差があるのか騰落率で比較すると、

米国株式(S&P500)
全世界株式(オール・カントリー)
  • 騰落率の比較
    • 8.5% 米国株式
    • 5.4% 全世界株式(オール・カントリー)

両者の間に約3%の差があります。

この3%がどれほどの差か、もう少しみていきましょう。

つみたてNISAをつかって、それぞれの騰落率で毎月ほぼ満額を20年間投資し続けた場合を想定してみると
米国株式(S&P500)
全世界株式(オール・カントリー)
  • 運用収益の差
    • 12,899,836円 米国株式(S&P500)
    • 6,352,188円 全世界株式(オール・カントリー)

20年後には、運用収益に倍近い差がでているかもしれません。

とりわけ、米国株式(S&P500)に20年間投資をしつづけると、運用収益額は投資元本よりも大きくなるかもしれないということもわかりました。

複利の効果がヤバいですね!

そして、つみたてNISAでなければ、この運用収益に約20%の税金を支払うわけですが、つみたてNISAでは運用収益に税金がかかりません。

よって、その節税効果は

節税効果
  • 2,579,967円 米国株式(S&P500)
  • 1,270,438円 全世界株式(オール・カントリー)

このようになり、当たり前ですがつみたてNISAにおける節税効果も、倍以上となるわけです!

もちろん未来のことはわかりませんので、机上の空論かもしれませんが、過去を振り返ったときの期待値に、倍ほどの差があるわけですから、期待の持てるほうに私は投資をします。

しかし、リスクを下げるという意味で全世界株式を買う、またはバランスファンドをどうしても買いたい場合は、特定口座での購入を私は推奨します。

その理由については👇のリンクで解説しています。

わずかだが手数料が高い

チャートを見てパフォーマンスはわずかな差と思うかもしれません。

しかし、先に述べたように暴落したあとのスタート地点が不利な米国株式のほうが、今ではパフォーマンスが勝っています。

それだけ米国株式には力があるのです。

なおかつ、管理手数料(信託報酬)も米国株式(0.0968%)の方が全世界株式(0.1144%)よりも安いです。

米国株式(S&P500)の方がパフォーマンスもいい!手数料も安い!

米国株式(S&P500)は、旨くて、安いんです!

だったら、全世界株式(オール・カントリー)をわざわざ選ばなくてもいいですよね。

分散が中途半端

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の構成比率

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の国別構成比率ですが、米国が過半数を占めており これで分散していると言えるでしょうか?

全世界株式に分散する理由は、リスクを分散させるためですよね?

米国の企業はただでさえグローバルな企業が多いため、米国の業績が傾けば、それは世界に波及するはずです。

リスクを下げるために全世界株式に投資をしたいのなら、米国の比率はむしろ低いくらいが丁度いいはずです。

国別にしっかりと分散させたいのであれば下図に示すように、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)のほうが全世界株式に分散できていると言えるのではないでしょうか。

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の構成比率

つまり

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を選ぶくらいなら

✓パフォーマンスつまり利益を重視したいのであれば

 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を選ぶべきですし

✓世界に分散させたいのであれば

 eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)のほうがより分散されています

あともっと安全に安心に資産運用したいのであれば、債券が混ざったバランスファンドにすればいいわけなので、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は中途半端なんですよね。

管理人
管理人

その中途半端さがウリなんでしょうか?

まとめ

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とを比較したとき、暴落などの一時的な下落のイベントがあったときは全世界株式(オール・カントリー)のほうが暴落率を少なくできる期待があり一見優れているようにみえます。

しかし長期的にみると、米国株式(S&P500)のほうがパフォーマンスを最大化できています。そして手数料も安いです!

以上の理由により 

管理人
管理人

私がつみたてNISAで買付しているのは

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。

2020年10月時点

こちらが、2020年10月現在でのつみたてNISAの実績です。

ニッセイの投資信託は、現在はつみたて設定はしておらず、米国株式(S&P500)一本に積立投資を実践しています。

リスク許容度のわからない初心者さんが、『全世界に分散!』という安心感のある言葉でオール・カントリーを買うのはそれはそれでありかもしれません。

なぜなら、安心感がほしい!という明確な理由があるからです。

しかし、本当の意味で分散できているのは、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)のほうだと私は考えています。

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