高配当銘柄ではない?!コロナワクチン開発中の【アストラゼネカ:AZN】の話

2020年11月23日、英オックスフォード大学とアストラゼネカ(以下AZN)が開発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン【AZD1222】は、接種を受けた人の大半に対し感染予防の効果があったことが大規模な臨床試験の中間分析結果で示されましたが、その有効性は平均70%でした。

米食品医薬品局(以下FDA)に緊急使用許可(以下EUA)の申請をしたファイザーと、EUAの申請準備中のモデルナのワクチンがそれぞれ達成した有効性は90%を超えていましたから、AZNのワクチンは先の2社の有効性には届かなかったということです。

この記事では、アストラゼネカのコロナワクチンについて情報のまとめと、配当金を支払っているAZNを高配当銘柄として買付を検討したところ、グロース株として見たほうがしっくりきた件について書いていきます。

アストラゼネカ【AZN】

アストラゼネカ(AZN)は、主に腫瘍学、心臓血管、腎および代謝の3つの治療分野を主軸に、呼吸器および免疫学における疾患の治療を目的とした処方薬の発見、開発、および商品化に焦点を当てた、科学主導のグローバルなバイオ医薬品企業です。

私自身が喘息を持っているのでわかるのですが、『シンビコート』や『パルミコート』といった気管支喘息の治療薬は、AZNが製造しているなかでも有名な薬品です。

また、肺がんに対する抗がん剤『イレッサ』のほうが、一般的に聞いたことのある薬品名かもしれませんね。

コロナワクチン【AZD1222】の近況

ファイザーやモデルナのCOVID-19ワクチンには、メッセンジャーRNA(mRNA)という新技術が用いられているのに対して、

COVID-19ワクチン【AZD1222】は、ウイルスベクターワクチンで、チンパンジー由来の風邪のアデノウイルスが複製できないように処理をし、それを利用して新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイク蛋白を形成する遺伝子を身体に入れます。スパイク蛋白への免疫を身体につけることによって、コロナウイルスの感染の防御を狙うワクチンです。

ワクチン【AZD1222】は、接種を受けた人の大半に対し感染予防の効果があったことが大規模な臨床試験の中間分析結果で示されましたが、その有効性は平均70%でした。

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平均ってどういうこと?

ワクチン接種と言って臨床試験の段階ですから、どのような接種方法がもっとも効果的なのかを調べるために、様々な投与方法を検討している段階です。

例えば、ワクチン【AZD1222】を半用量または全用量の1回または2回の筋肉内投与をする!といったような様々な投与方法を検討中ということです。

今回の臨床試験の中間分析結果は、

  • 1つの投与計画(n = 2,741)は、【AZD1222】を半用量として投与し、その後少なくとも1か月間隔で全用量を投与した場合、90%のワクチン効果を示した。
  • 別の投与計画(n = 8,895)は、少なくとも1か月間隔で2回の完全投与として投与された場合、62%の有効性を示した。
  • 両方の投与計画(n = 11,636)からの組み合わせ分析は、70%の平均有効性をもたらした。

以上のようになりました。

最初、ワクチン【AZD1222】の有効性は平均70%と聞いて、残念な気持ちになりましたが、投与方法によってはワクチンの有効性を90%にできる可能性がありそうです。

また11月19日に、ワクチン【AZD1222】が高齢者に強い免疫反応を確認した!というニュースや、同ワクチンに重症化を予防する効果がある可能性が示唆された!というニュースもありますから、AZNのワクチンからは、まだまだ目が離せません。

あと、ファイザーのワクチンは-70℃で保管する必要があったのに対し、

  • AZNのワクチンは冷蔵庫の温度で済むという利点がある他、
  • ワクチン一本分の価格が安くなる見込みがあることから、差別化できそうですね。

株価

アストラゼネカ 週足 5年間

株価は50週移動平均線をサポートに、見事なまでに綺麗な右肩上がりの形を作っています。

直近5年間の最安値から、今の株価は約115%上昇しており、コロナショック以前の株価も超えて、かなり勢いがあります。

MACDをみると、ダイバージェンスが起こっていないことから、今後も株価の上昇が期待できます。

このように株価が上昇を続けているにも関わらず、AZNは配当金も支払ってくれています。

その直近の配当利回りは、2.60%です!

株価が上がれば、配当利回りは下がりますから、2.60%の配当利回りは十分です。

同じように株価が上昇傾向で、配当利回りも同程度な銘柄としてジョンソン・エンド・ジョンソン(以下JNJ)が思い出されます。JNJの配当利回りは、2.76%です。

ジョンソン・アンド・ジョンソン 週足 5年間

AZNやJNJも、配当利回りが2%代ですから、高配当銘柄とするには配当利回りが物足らないかもしれませんが、JNJに関しては58年間増配し続けている超優良企業です。

AZNにも増配傾向があれば、高配当銘柄として買付を検討したくなるので、チェックしてみましょう。

増配率や配当性向

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AZNは、株価を上昇させつつ配当金も支払っている企業です。

つまり投資家にキャピタルゲインとインカムゲインの両方をもたらせています。

同じようにJNJも投資家にキャピタルゲインとインカムゲインの両方をもたらせていますが、JNJは58年続く増配銘柄です。

AZNにも同じような増配傾向が見られれば買付対象にできるのですが、AZNにはそのような増配傾向はありませんでした。

AZNの配当金は、2013年に-1.75%減配して以降、7年間増配率0%となっています。

また、直近の配当性向は2017年で117%、2018年は164%、2019年は269%で2020年の予想は140%と、ここ数年の配当性向は100%を超える配当性向を推移しています。

配当を維持してくれるのはうれしいのですが、配当性向が100%を超える年が続くとなると、いつ減配や無配となってもおかしくありません。

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よって、業績を確認したところ2016年以降、売上高や当期利益が右肩下がりを推移していました。

こうなると、もちろんEPSも下がりますから、配当金が一律なら配当性向が100%を超えてきたことには納得がいきます。

配当性向(%)=年間配当÷1株利益(EPS)

分子(配当金)が一定で、分母(EPS)が下がれば、答え(配当性向)は大きくなるということです。

キャッシュフローを見てみると、営業の利益が下がっているため、投資にまわす資金を減らして、まずは借金を減らそうとしている、ことがわかります。

  • 営業CF ⤵
  • 投資CF ⤵
  • 財務CF ⤴

業績はいまいちなのに、株価は上がっている!これがアストラゼネカの現状のようです。

まとめ

コロナウイルス感染者数に第3波が訪れているなか、欧州を中心に各国で再度ロックダウンされている都市もあります。

ロックダウンするということは、経済活動の低迷を意味しますから、コロナウイルスに対するワクチン開発には期待しかありません。

COVID-19ワクチンには、アストラゼネカを含めて、ファイザー、モデルナ、ノババックスなどの企業がワクチン開発に注力してくれています。

米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可(EUA)の申請を最初に行ったのは、有効性90%を超えるワクチンを開発したファイザーですが、アストラゼネカのワクチン【AZD1222】には、今現在の中間分析結果で平均70%の有効性しかありません。しかし、

  • 高齢者に強い免疫反応を確認した
  • 重症化を予防する効果がある可能性がある
  • 冷蔵庫の温度で保管できる(保管が容易)
  • ワクチン一本分の価格が安くなりそう

など、他のワクチン候補と比べて差別化できるところもあることから、アストラゼネカ(AZN)のワクチンや株価からは目が離せないと考えます。

AZNは配当金を支払っていますが、業績が思わしくない中で配当金を支払っているのが現状です。

よって、今後減配や無配となるかもしれません。

しかし、株価の推移をみるかぎり、投資家からは業績悪化は一時的なもの!っとみられているようなので、株価は右肩上がりの上昇中です。

よってAZNは、高配当株というよりは、グロース株な銘柄と見たほうが私的にはしっくりときます。

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