
投資信託のファンドを選ぶとき、みなさんは何を基準に選びますか?
それぞれの証券会社がつけているランキングを参考にする方は少ないと思います。
なぜなら、私もそれらのランキングを頼りに投資信託の買付をしたことがあるからです。
しかし、今では4つのポイントを抑えてファンドの選定ができるようになりました。

今日はつみたてNISAで買い付けることのできるファンドの中から、純資産額が2番目に多い『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』について、調べてみたので記事にしてみます。
調べた動機は、単純にバランスファンドにたくさんの資金が集まっていることが不思議に感じたからです。
ちなみに、つみたてNISAで買い付けることのできる純資産額順の上位10ファンドの中に、バランスファンドは1つだけでした。
記事の最後には、『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』を買うか買わないのか?その理由を添えて書いてありますので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

運用しているのは、名前にもあるようにセゾン投信で、14期目となるファンドです。
同ファンドは、米国バンガード社が設定したインデックス型の外国投資証券への投資を通じて、世界各国の株式および債券に実質的に分散投資し、信託財産の長期的な成長を図ることを目的として運用を行っているファンドです。
ちょっと堅苦しい言い回しなので伝わりにくいかもしれませんが、ようするに『バンガード社が運用するETF買って分散投資をしている』ファンドということです。
そしてこれは、投資信託(セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド)が、上場投資信託(バンガード社ETF)を買って運用しているということになるんですね。
投資信託が、上場投資信託をかっているわけですから、管理費用が高くつきそうですが、0.59%でした。
つぎに、どのようなETFを買い付けているのか見てみましょう。
組み入れファンド

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドが、上場投資信託を投資信託であることがわかったわけですが、その中身を確認すると
- 【VINIX】バンガード・インスティテューショナル・インデックス・ファンド
- バンガード・U.S.・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンド
- 【VANEGIU】バンガード・ユーロ・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンド
- 【VEUPX】バンガード・ヨーロピアン・ストック・インデックス・ファンド
- 【VEIEX】バンガード・エマージング・マーケット・ストック・インデックス・ファンド
- 【VANJGBY】バンガード・ジャパン・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンド
- 【VANSTOC】バンガード・ジャパン・ストック・インデックス・ファンド
- バンガード・パシフィック・エックスジャパン・ストック・インデックス・ファンド

8つ目のエックスジャパンは、「日本株式以外」という意味です
以上8つのETFの集合体が、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドということがわかりました。ただ、8つの中からティッカーがわかったのは6つまででした。
カタカナが多すぎてわかりにくいと思うので、もう少しわかりやすくすると
- S&P500インデックスに連動
- 米国債および米国政府機関債の時価総額加重インデックスに連動
- ユーロ圏各国の発行する国債および政府機関債の時価総額加重インデックスに連動
- MSCIヨーロッパ・インデックスに連動
- MSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動
- 日本国政府および政府機関が発行する投資適格債券の時価総額加重インデックスに連動
- MSCIジャパン・インデックスに連動
- MSCIパシフィック・エックスジャパン・インデックスに連動
それぞれのインデックスに連動したETFですが、もっとわかりやすくすると
- 米国株式
- 米国債券
- ユーロ債券
- ユーロ株式
- 新興国株式
- 日本債券
- 日本株式
- オーストラリア、香港、ニュージーランド、シンガポールの株式
となって、それぞれのインデックスに連動したETFの集合体が、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドということです。
そして、当ファンドの投資対象ファンドへの資産配分比率は、各地域の株式および債券市場の時価総額から考えて、株式と債券の投資比率が原則 50:50となることを目指しています。

米国の株式および債券で54.2%と過半数を占めており、続いて欧州の株式および債券で27.7%、日本の株式および債券で9.3%と続きます。新興国の債権は組入れられておりません。
パフォーマンス
パフォーマンスを見るのに、基準価額の変動や純資産額の推移を確認します。

2009年~2013年まで我慢の年が続きましたが、それ以降の基準価額は右肩上がりに上昇しており、年平均の騰落率は3.1%です。

また純資産額ですが、基準価額が下落した2009~2013年の間も含めて、しっかりと増やし続けていることから、信頼できるファンドと判断できます。
私は買わない2つの理由
つみたてNISA内のファンドの中から、純資産額が2番目に多い、つまり多くの投資家から資金を集めているファンド「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」を自分で買いますか?と聞かれたら、答えは「NO!」です。
その理由は2つあります。
コストが高いうえに、パフォーマンスも低い
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの管理費用は、0.59%でした。
つみたてNISAで買えるバランスファンドの中から、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」のつぎに純資産額の多い「eMAXISSlimバランス(8資産均等型)」の管理費用は、0.154%ですから明らかに前者の管理費用のほうが高いです。
そして管理費用が高くても、パフォーマンスが高かったり、リスクが少なければよいのですが、そういうわけでもありません。
前者の年平均の騰落率は3.1%でしたが、後者の騰落率は3.9%と、前者のほうの成績がよくありませんでした。
さらに、最小値(リスク)についてみても、前者は-15.6%なのに対して、後者は-10.2%ですから、明らかに前者のほうがリスクが大きいです。

まとめると、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、同じつみたてNISA内で買えるバランスファンドと比べて、管理費用が高い上に、パフォーマンスも低く、リスクも大きいようです。
個別アセットごとの対応ができない
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの中には、新興国株式インデックスに連動したETFが入っています。
2020年11月現在、コロナ禍の影響で新興国のデフォルト(債務不履行)が懸念されているわけですが、
このようなニュースを聞いた時に、新興国株式をこのまま持っていても大丈夫なのか?心配だから売りたい!って思っても、バランスファンドの中の1アセットだけを売却することはできません。
でも、仮にそれぞれの地域別、株式・債券別にETFを買っていれば、新興国株式(ETF)だけ売却する。っといったリスク回避行動を起こすことが可能です。
だから私はバランスファンドを買い付けていません。
おまけ
『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』はつみたてNISAの枠を使って買付することができますが、私の意見は、つみたてNISAの枠でバランスファンドを買うことはおすすめしません。
なぜなら、節税効果を最大化できないからです。
このへんの詳しい内容は下の記事に書いたので、読んでください。

まとめ
つみたてNISAで買い付けることのできるファンドの中から、純資産額が2番目に多い『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』について、調べてみたところ、なぜそんなにも人気があるのか?私にはわかりません。
なぜなら、管理費用は高いですし、高い管理費用なりのパフォーマンスがあるわけでもない。ましてや基準価額の下落率も他のファンドよりも大きいわけですから、なぜたくさんの資産が集まっているのか、不思議でなりません。
しいて言うなら、14年前から運用しているからという時間的優位性だけで、2,200憶円もの資金を集めたのでしょうか?
いずれにせよ、
- コストが高い
- パフォーマンスが低く、下落率が大きい
- 個別アセットごとの対応ができない
以上の理由により、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」を買いますか?と聞かれたら、私の答えは「NO!」です。