
大手ネット証券では様々な手数料の無料化が進んでいます。
例えば、楽天証券の買付手数料が無料のETFをここでも紹介しました。
今回は、SBI証券が手掛ける、買付手数料無料の米国ETFのうち4銘柄についてみていきたいと思います。
もちろんこの4銘柄は楽天証券では手数料無料ではありません。
SBI証券で買付手数料実質無料の米国ETFの中から4銘柄をみてみた
楽天証券では
- VT
- VOO
- VTI
- SPY
- RWR
- GLDM
- GDAT
- GDNA
- GFIN
これら9つのETFの買付手数料を無料にしています。
SBI証券は楽天証券よりも先に
- VT
- VOO
- VTI
- IVV
- SPY
- EPI
- DHS
- DLN
- DGRW
以上、9つのETFの買付手数料を実質無料にしました。
楽天証券と重なっていないETFのなかから4つをピックアップして、それぞれを比較していきます。
- DGRW ウィズダムツリー 米国株クオリティ配当成長
- DLN ウィズダムツリー 米国大型株配当ファンド
- DHS ウィズダムツリー 米国株高配当ファンド
- EPI ウィズダムツリー インド株収益ファンド
この4つのETFは、ウィズダムツリー社が運営しているものです。
結論を言うと、個人的には
株価(チャート)
【VT】(世界の株式)を基準として、4つのETFの株価を比べてみます。

青:VT 水色:EPI 紫:DHS ピンク:DLN オレンジ:DGRW
もっとも新しい【DGRW】の設定日を開始とした、株価の推移(チャート)を眺めてみると、
【DHS】ウィズダムツリー 米国株高配当ファンド のパフォーマンスが、著しく低いです。
高配当株銘柄なので、仕方がないのですが、その配当利回りは3.17%でした。
逆に、もっともパフォーマンスのよかったのは、
【DGRW】ウィズダムツリー 米国株クオリティ配当成長 でした。
DGRW ウィズダムツリー 米国株クオリティ配当成長

《ウィズダムツリー米国配当グロース指数の価格および、利回り実績と連動する投資成果を目指すETF》だそうです。
グロース株投資をしつつ配当金も貰う戦術 ということかな?
もう一度チャートをみてみたいと思うのですが、次は同じ買付手数料無料でS&P500に連動したETF 【VOO】と比べてみます。

2020年までは、【DGRW】と【VOO】の両者のパフォーマンスに差はありませんでした。
しかし、コロナショック後の株高の恩恵をより受けたのは、【VOO】だったようです。
次に経費率なども対比してみたところ
【DGRW】は、配当利回りが少し【VOO】のそれよりも高いですが、5年間のトータルリターンでみると、【VOO】に負けています。
よって、高い経費率を払っているのに、【VOO】よりも成績が劣っていることになります。
あえて、【DGRW】のメリットというと、株価が85ドルと1万円程度ですから、【VOO】の430ドルよりも買いやすいと言えます。
DLN ウィズダムツリー 米国大型株配当ファンド

ウィズダムツリー大型株配当指数に連動する投資成果を目指し、普通現金配当の支払いがある大型株に投資するETFだそうです。
大型株とは一般的に、
・流動性も高い
銘柄となっています。
配当を出している大型株投資のETFということかな?
【DLN】は、今日紹介する4つのETFのなかで、2番目にパフォーマンスが良かった銘柄です。
一応、【VOO】と比較したチャートをみてみましょう。

緩やかに差を広げられて、10年間で大きな差が生まれてしまった感じですね。
【DLN】が高配当銘柄と言うことなので、分配金の推移も確認してみます。

2021年は残念ながら減配していますが、それまでの6年間は増配をしています。
あと、グラフではわからないのですが、【DLN】の特徴をひとついうと、
米国株(およびETF)は、年に4回にわけて配当金(分配金)をしはらうケースが多い中、【DLN】は毎月に分配金を支払ってくれます。
よって、配当金による不労所得が、毎月どのくらい入ってくるのか、計算しやすくなると思います。
DHS ウィズダムツリー 米国株高配当ファンド

ウィズダムツリー高配当指数に連動する投資成果を目指し、特定の要件に適合したウィズダムツリー配当指数の最高利回り株式に投資するETFだそうです。
文脈からは、配当利回り重視のETFだと推察します。
買付手数料は無料ではありませんが、高配当ETFというくくりの中から、有名なVYMと対比したいと思います。

【VYM】のほうが圧倒的にパフォーマンスが高いですね。
リーマンショックでの下落幅も、【VYM】のほうが小さいです。
次は経費率などを対比します。
DHS | VYM | |
経費率 | 0.38% | 0.06% |
分配利回り | 3.17% | 2.69% |
5年間の配当成長率 | 4.4% | 7.0% |
株価 | 86ドル | 115ドル |
10年間の トータルリターン | 183% | 242% |
増配年数 | 0年 | 11年 |
タイトル | 詳細を見る | 詳細を見る |
【DHS】は、分配利回りで【VYM】に勝っていますが、10年間のトータルリターンが負けているので、パフォーマンスだけ見ると劣っていることになります。
高い分配利回りとなっているが、一時的なものであり、増配率も高くないことが、VYMに負けている要因だと考えます。
あえて【DHS】のメリットを出すならば、
株価が安いために、買い付けしやすいことと、
毎月分配金を支払ってくれる点だけかもしれません。
EPI ウィズダムツリー インド株収益ファンド

ウィズダムツリー インド・アーニングス・インデックスのパフォーマンスに連動する投資成果を目指すETFだそうです。
『アーニングスってなんやねん!』ってことになると思いますが、
インドの収益性の高い企業に投資をするという意味でいいと考えます。
とは言っても、構成銘柄数が約470社あることをかんがえると、ほどインドという国そのものに投資をしていることになります。
つぎに、世界から見たインド【EPI】の動きをしりたいので、【VT】の株価と対比してみました。

【EPI】と【VT】はこの十数年間のあいだ、抜きつ抜かれの関係をつづけ、2022年1月現在では、ほぼ同じパフォーマンスとなっています。
次は経費率などを比べてみましょう。
表を見ると、【VT】のほうが分配金利回りが高いために、10年間のトータルリターン(分配金込み)で【EPI】と大きな差をつけています。
世界株式のほうが、
・経費が安く
・分配金も多い
・10年という長期でみても、パフォーマンスに勝る
そうなってくると、わざわざインドと言う国に投資をする理由がなくなってしまいます。
しいて言うなら、1株の価格が安いために、少額から投資をすることができる点ぐらいでしょうか。。。
もうひとつ、コロナショックでつけた最安値を基準にした、株価のチャートをみてほしいのですが、

【EPI】のパフォーマンスが、【VT】世界株式はもちろん、【VOO】米国のS&P500のパフォーマンスも超えています。
じつは、インドは世界で高い経済成長が見込まれています。
なぜなら、人口(約13.8億人)と右肩上がりに増えており、2030年までに中国の総人口を超えるといわれているほどです。
また、2030年代には名目GDP(国内総生産)が、米国や中国に次ぎ世界3位となるとも言われています。
GDPが上がれば、絶対に株価が上がる!とは限りませんが、期待は大きいと思います。
誰にも未来はわかりませんが、投資妙味はありそうです。
小まとめ
株価 | 経費率 | 5年トータル リターン | 分配利回り | タイトル | |
DGRW | 85ドル | 0.28% | 115% | 1.79% | 詳細を見る |
DLN | 67ドル | 0.28% | 88% | 2.01% | 詳細を見る |
DHS | 86ドル | 0.38% | 54% | 3.17% | 詳細を見る |
EPI | 38ドル | 0.83% | 94% | 1.12% | 詳細を見る |
経費率は、VTIなどにくらべると、ウィズダムツリー社のETFのそれは、いずれもやや高い印象です。
私は高配当株投資をしているので、分配利回り3.17%のDHSに興味がわきましたが、
VYMを勝ることはできませんでした。
補足
ウィズダムツリー社の拠点が日本にありません。
日本人投資家との相性が合わないようです。

まとめ
SBI証券の取り扱っている米国ETFの中から実質買付手数料無料の9銘柄の中から、4銘柄をみてみました。
その結果、【DRGW】、【DLN】、【DHS】のいずれも魅力不足と判断します。
なぜなら、
- S&P500よりもパフォーマンスが大きいわけでもなく
- 経費率も低いとは言えない水準
- 分配利回りの高いものもあるが 経費率のもっと安い同レベルの高配当ETFがある
からです。
【DHS】ウィズダムツリー 米国株高配当ファンド
だけ、候補にあげておきます。
結論
今日紹介した4つのETFのなかで、
【EPI】ウィズダムツリー インド株収益ファンド
だけは、投資妙味があると思います。
なぜなら、コロナショック後のパフォーマンスが優れているからです。
実際、インドの人口は増え続けていることから、その経済成長も米国や中国のそれに迫る勢いだと言われています。
『世界株式よりも、米国株式のほうがパフォーマンスがいいから!』
っという理由だけで、米国株式というひとつのカゴに投資をしている投資家さんは、
ぜひインドと言う国についても、調べてみてはいかがでしょうか?
インドについての情報は、楽天証券で得ることができます。
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- 2019年4月から9月の上場会社数は29社です
私の所属する部署には30数名の同僚がいるのですが、
『SBI証券に口座を新しく作った』と二人の同僚から話を聞いているくらいです。
投資や資産運用が身近なものになってきたんだなぁと、時代の流れを感じつつ、投資の話ができる同僚がいることをうれしく思う今日この頃です😊