2020年12月26日、英調査機関の経済ビジネスリサーチセンター(CEBR)が、中国は欧米諸国よりも新型コロナウイルスのパンデミックをうまく乗り越え、従来見通しより5年早い2028年に経済規模で米国を抜き世界一の経済大国になるだろうと、発表しました。
また、ヘッジファンド世界最大手ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で著名投資家のレイ・ダリオ氏も、世界の覇権サイクルの観点から、覇権が米国から中国へと移行すると考えているようです。
その証拠に、ブリッジウォーター・アソシエイツのポートフォリオには、米国株:約35~40%、ゴールド:約15~20%、中国株:15~20%と、中国にもそれなりに投資をしています。
このようなニュースを見聞きすると、情弱な私は『中国にも投資しなくては!?』と考えてしまうわけですが、仮に中国に投資を始めるとするならば、どのように投資するのか検討しました。
よって、今回の記事は
- 中国に投資をしたい
- でも、どうやったら中国に投資ができる?
- できるだけ簡単に投資したい
このように悩んでいる方の参考になればと思って書いたので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
中国株に投資をする方法【ETF編】
私が投資をするときに真っ先に考えることは、投資対象に関係するETFがあるのか?です。
今回でいえば、中国株に投資をしたいと思ったら、中国株の指数に連動した優れたETFはあるのか?を探すということです。
そもそも、ETFで探す理由ですが、それはETFが手早く簡単に分散投資ができるからです。
つまり、ETFは投資家にとって手抜きではなく、分散投資をする上での手間抜きができるすばらしい商品なので、冷凍餃子よろしく有効活用しているということです。
では本題にもどりまして、私が今後中国株に投資をする場合の、購入検討として上がったETFを紹介します。
【CXSE】ウィズダムツリー中国株ニューエコノミーファンド
ウィズダムツリー社の運用するETFで正式には
WisdomTree China ex–State-Owned Enterprises Fund といい、直訳すると、『ウィズダムツリー中国元国有企業ファンド』となります。
米国市場NASDAQに上場しているETFです。
ウィズダムツリー社は、日本人には聞きなれない運用会社かもしれませんが、600億ドル以上つまり約6兆円以上を資産運用する立派が運用会社です。
概要
米国籍のETFである【CXSE】を構成する銘柄は、発行済株式の政府による保有率が20%未満の中国株で構成されています。
これは政府の決定によって、影響を受ける可能性のある銘柄を排除し、市場平均よりも高いパフォーマンスを狙ったETFだということです。
なぜ政府による保有率が20%未満の中国株のほうが、パフォーマンスが良いのかを示したものが上のグラフです。
グラフで言うSOEとは政府による保有率が20%以上の中国株のことですが、累積リターンの上昇に見込みのないことが一目瞭然です。
その他の基本情報はこちらです。
- 経費率 0.32%
- 総資産 約6.5億ドル
- 構成銘柄数 149
- 配当利回り 0.30%
レイ・ダリオ氏が買っている中国株ETFのなかに【FXI】というETFがあるのですが、こちらの経費率は0.74%であるのに対し、CXSEの経費率は0.32%と低く、中国株ETFの中でみてもかなり低めの設定です。
とりわけCXSEの総資産額は、数十商品ある中国株ETFの中で2位のポジションをとっていることから、人気の高い事で投資家達から資金が集まっていると考えられます。
ちなみに、配当利回りは0.5%を切っていることから、CXSEはキャピタルゲイン(値上がり益)を狙った商品だと言えます。
パフォーマンス・チャート
2016年以降は、200週移動平均線をサポートに右肩上がりと、すばらしい強気相場を示しています。
パフォーマンスを数値で表すと
- 1年トータルリターン 57.61%
- 3年トータルリターン 14.79%
- 5年トータルリターン 23.29%
このようになり、2020年はコロナ禍などなかったかのような高いパフォーマンスとなっています。
また、上の表をつかって設定来で見ていくと、CXSEは毎年12%以上も成長しているETFであることがわかりますし、他の指数と比較してもFTSE China 50 Indexで5.5%、MSCI China Indexでも9.77%であることから、CXSEは他の指数をアウトパフォームしていることがわかると思います。
人気のある理由がわかったが気がします。
構成銘柄・セクター分類
構成銘柄は、その比率の高いものから上位10社は
- テンセント : コミュニケーション
- アリババ : 一般消費財
- 中国平安保険グループ : 金融
- メイトゥアン・ディエンピン : 一般消費財
- JDドットコム : 一般消費財
- バイドゥ : コミュニケーション
- ピンデュオデュオ : 一般消費財
- ネットイース: コミュニケーション
- シャオミ : 情報技術
- ウーシー・バイオロジクス・ケイマン : ヘルスケア
このようになっており、一般消費財銘柄とコミュニケーション銘柄の強いことが、次に示しますセクター分類のグラフからもわかると思います。
ちなみに中国株97.5%、香港株2.44%、その他0.06%となっています。
セクター分類で見た時、一般消費財セクターとコミュニケーションセクターの2セクターだけで過半数を占めており、公益事業、素材、エネルギーに至っては1%を切っています。
分散投資を簡単にしたく、ETFであるCXSEを選んでいるのに、これでは分散力が少し弱いですね。
もちろん、数年、数十年後に素材やエネルギー株のパフォーマンスが上がった場合は、リバランスされるとは思いますが、少し偏った構成比率であることは認識しておいたほうがよさそうです。
偏った構成比率だからこそ、他の指数(FTSE China 50 Indexなど)をアウトパフォームしているとも言えますね。
まとめ
今後、経済市場において中国(中国株)の時代が来る!とニュースを見聞きすると、ついつい「中国株を買わなければ」と考えてしまうわけですが、もし私が中国株投資を始めるのなら、米国市場NASDAQに上場している中国株ETF【CXSE】の購入を検討します。
CXSEは、ETFですから簡単に、そして安い経費で分散投資ができますし、そのパフォーマンスも設定来でみると毎年12%も成長していることから、多くの投資家を魅了しているETFです。
よって、非常に魅力的なETFなわけです。
しかし、私がこれまで購入しているETFや個別株はいずれも高配当、つまりインカムゲインを目的としたETFや銘柄を購入していることから、今すぐCXSEを買うことはないと思います。
それに、せっかくETFを買っているのに、そのセクター分類を見た時、分散力が小さいことも気になりました。
- 公益事業、素材、エネルギーセクターの銘柄が少ない
- 分散力が少し弱い
- インカムゲインはあまり望めない
ですが、キャピタルゲインを狙った投資家には人気のあるETFだと思うので、参考になれば嬉しいです。
ちなみに【CXSE】は、SBI証券と、楽天証券 のどちらの証券会社でも購入可能ですよ。
これから、もっとパフォーマンスのよい中国株のETFや投資信託がないのか?
インカムゲインを狙った中国株ETFがないかを調査したいと思います。