
2020年11月9日からは、コロナウイルスに関する話題が盛りだくさんだった一週間でした。
どれがワクチンでどれが治療薬なのかごちゃごちゃになってきたので、まとめていきます。
今回の記事では、コロナ関連銘柄のニュースと各銘柄の株価を確認しながら、投資対象になるものはないか探っていきたいと思います。
高配当株投資家、およびキャピタルゲイン投資家いずれにも参考になると思うので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
ワクチン
ファイザー
11月9日、ファイザー【PFE】がドイツのビオンテックと開発している新型コロナウイルスワクチン候補は、数万人が参加した治験で90%を超える確率で感染を防いだとの事です。
しかし、まだ安全性が確立していないため、米監督当局が義務付ける安全性のデータに問題がなければ、規制当局に緊急使用許可(EUA)を申請するみたいです。

週足を見ると、50週および200週移動平均線が上を向いていることや、株価がレジスタンスとなるトレンドラインを上に突き抜けていることから、上昇トレンド中であると解釈できます。
一見、買いのサインが出ているようにみえますが、週の始値を付けて以降株価は下がっています。
株価が下がった理由は2つあって、
- ファイザーのワクチンは、マイナス70度程度の超低温で保管する必要があり、かつ解凍してからは5日以内に投与されなければ効果が消失してしまうことがわかった
- 同社CEOが、保有する自社株を売却した
以上の2点が、月曜日の始値から株価が下がっている理由です。
- 株価 $38.62
- 配当利回り 3.94%
- 配当性向 50.34%
- 増配年数 10年
ノババックス

ノババックス【NVAX】は11月9日、同社の新型コロナウイルス感染症ワクチン候補が、米食品医薬品局(FDA)からファストトラック(優先承認審査制度)指定を受けたと発表しました。
同社は11月中に同ワクチン候補の大規模な後期試験を実施すべく準備を進めているそうです。

日足チャートですが、縦軸が対数軸になるほどに株価は短期間で上昇していて、年初来2327%上昇しています。
2020年8月に小さなダイバージェンスを起こしてからは、株価は落ち着き、50日移動平均線をレジスタンスに持ち合い相場が続いています。
今回のファストトラックの発表を受けても50日移動平均線を上に突き抜けることはできませんでした。
しかし持ち合い相場の中ですが、ダイバージェンスを起こしていることから、上昇へと転換してくれるかもしれません。
先に話したファイザーが7月にファストトラックを発表し、4か月後の11月にEUAの申請をする見通しを立てていることから、ノババックスも4か月後の2021年3月ごとにEUAの申請にこぎつけ、そのころに株価上昇となる可能性があります。
- 株価 $90.87
- 配当なし
- 1年トータルリターン 2,250%
治療薬
アンジェス【4563】《AV-001》

アンジェスは、大阪大学の研究者による革新的な発見をもとに 1999年 12 月に設立された、遺伝子医薬品開発に特化したバイオ医薬品会社ですが、
2020年11月13日、アンジェスはカナダのバイオ医薬品企業バソミューンと共同開発している新型コロナウイルス治療薬《AV-001》ついて、FDAから臨床試験開始の許可を得たと発表しました。
これを受けて株価は約14%急伸しました。
【AV-001】は、血管内皮細胞表面に最も多く発現する膜貫通型タンパク質である Tie2 受容体を標的とした新規治験薬で、中等度から重度のCOVID-19 および ARDS の治療薬として開発されています。
また同社は、2020年 3 月から大阪大学とCOVID-19 の DNA ワクチンの国内共同開発も進めています。

株価は2020年10月まで下降トレンドとなりそうでしたが、ダイバージェンスを起こしたことと今回の発表を機に、レジスタンスとなるトレンドラインを上に突き抜けたとほぼ同時に、50日および200日移動平均線も上に突き抜けました。
株価は年初来135%も上昇しています。
- 株価 1,495円
- 配当なし
- 1年トータルリターン 109%
イーライリリー【IIY】《バムラニビマブ》

2020年11月9日にFDAは、製薬会社イーライリリーが新型コロナウイルスの治療薬として開発中の抗体医薬「バムラニビマブ」について、軽症から中程度の症状の患者に一定の効果がみられるとして、緊急使用許可(EUA)を出したと発表しました。
米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」のように既存薬を転用するのではなく、コロナ治療に特化して開発された治療薬としては初めてのEUAとなります。
FDAによると、「バムラニビマブ」の臨床試験の暫定的な結果では、投与された患者の入院や救急治療を受けた割合が、投与されなかった患者より低いといった効果がみられたそうです。
こうしたことからFDAは「バムラニビマブ」には軽症から中程度の症状の患者に対してリスクを上回る効果があるとしたわけです。
イーライリリーの「バムラニビマブ」に対して、米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」のほうは、主に重症患者に対する効果が高いようなので、「バムラニビマブ」とのすみわけができます。

2020年7月にダイバージェンスを起こして以降、株価は高値および安値を切り下げており、今は最高値から16%下落しています。
同じような展開が2019年4月にも見られます。ダイバージェンスを起こした後に株価を下げています。
11月9日のニュースの株価への影響はほぼ皆無でしたので、2019年の展開と同様の展開が続くようなら、2020年11月の今後の株価の動きは、数カ月の間は持ち合い相場となる公算を立てることができます。
- 株価 $141
- 配当利回り 2.08%
- 配当性向 40.85%
- 増配年数 5年
まとめ
- 配当利回り 3.94%
- トレンドラインを上に突き抜けていて、上昇トレンド入り
高配当銘柄としての購入は、あり!と判断できます。
ただ、CEO自身が自社株を売っていることから、これ以上の株価上昇はそれほど期待できないのか?という懸念はある。
- 配当なし
- 50日移動平均線がレジスタンス
配当がないため、キャピタルゲインを狙うしかありません。
株価が上がるのは、EUAの申請をする2021年3月頃以降か?
- 配当なし
- トレンドライン、50日・200日移動平均線を上に突き抜ける
買いのシグナルがでたところなので、キャピタルゲイン狙いで買ってもよさそう!
しかし、臨床試験開始の許可が出ただけであって、EUAの許可が出たわけではないので、時期尚早となるかもしれない。
- 配当利回り 2.08%
- ダイバージェンス以降、株価は下落傾向
ニュース発表後、株価の動きが冴えない。
高配当投資の対象とするには、利回りが物足らないので、もう少し株価が下がれば買ってもいいかな?
重症度によって、レムデシビルと使い分けができるので、売上増に期待はできそう。
個人的には、高配当銘柄であるファイザーに興味がもっともあります。
実際に銘柄を購入するときは、言うまでもありませんが、自己責任でお願いいたします。