以前『半導体が足らないせいで、自動車が製造できない』とニュースを聞いたことがあったので、
『需要が間に合っていないところに商機あり』と考えて、調べてみました。
すると、
- 半導体は生活必需品である
- 半導体は世界で売れまくっている
- 大手企業が設備投資を強化している
- 370億米ドルの連邦政府投資を行い、半導体の供給不足に対応
以上の理由により、半導体産業が今後も成長の見込めるテーマ産業だと思えたので、その理由について、もう少し詳しく書いていきますね。
今回の記事は
- キャピタルゲインを狙った投資家
- テーマ型投資を楽しんでいる方
以上の方に参考になると思うので、読んでもらえると嬉しいです。
半導体は生活必需品?
そもそも半導体とは何か説明してくださいと言われると、『パソコンや電気製品につかわれているやつ』ぐらいの知識しかなかったので、確認してみると
半導体とは、電気を良く通す金属などの「導体」と電気をほとんど通さないゴムなどの「絶縁体」との、中間の性質を持つシリコンなどの物質や材料のこと。
ただし、半導体を材料に用いた集積回路(多数のトランジスタなどを作り込み配線接続した回路)も、慣用的に”半導体”と呼ばれている。
株式のニュースで言われている半導体は、概ね集積回路(Integrated Circuit:略IC)のことだとわかりました。
つぎに、この半導体が暮らしの中でどのように利用されているのか?というと
多くの電化製品、つまり今手に持っているスマホや、PC、ゲーム機、エアコン、冷蔵庫などにしようされています。
また、IoT、5G、クラウド、データセンター(サーバー)、AI、EV(電気自動車)、新幹線など、幅広いDX(デジタル・トランスフォーメーション)進展や交通などの、社会インフラに半導体が利用されているので、半導体は私たちの暮らしに欠かせない存在と言えます。
そうです!半導体は私たちの暮らしに欠かせない存在なんです!
よって半導体は、エネルギーや水、衣料、食事などと同じくらいに、生活に欠かせない存在ですので、投資商品としてみた場合、半恒久的に利益をもたらしてくれそうだと、わかってもらえると思います。
半導体の売上高
SIA(米国半導体工業会)は2021年1月4日、2020年11月の半導体世界売上高が前年同月比7.0%増加(約394億ドル:約4兆円)し、10カ月連続でプラスを記録したことを発表しました。
また、2021年3月1日には、同年1月の半導体世界売上高が前年同月比13.2%増加し、1月の合計353億ドルから400億ドルに増加し、12月より1.0%増加(12カ月連続)したと発表しました。
青色:売上高 赤色:前年同月比
上の図は、世界の半導体売上高の推移を表したもので、青色がそれに該当します。
1992年以降、半導体の売上高は右肩上がりで増えていて、約30年のあいだに、売上高を4倍にしていることがわかります。
とりわけ、2008-2009年に売上高が激減していて、不安に思うかもしれませんが、これはリーマンショックや新型インフルエンザウイルスのパンデミックなどの特別なイベントが背景にあったからです。
また、2019-2020年にも売上高を下げていますが、これは言うまでもなく新型コロナウイルスのパンデミックの影響ですね。
つまり、経済危機や感染症のパンデミックが発生すれば、一時的な売上高の減少はあっても、長期的に見れば半恒久的に売上が伸びると推察できるわけです。
なぜなら、半導体は我々の生活に欠かせない存在ですし、今後は自動運転機能付き自動車や自動掃除機など、あらゆる機器の自動化が進むからです。
大手企業が設備投資を強化している
2021年3月24日、大手コンピューター部品メーカーであるインテル【INTC】が、向こう数年間で200億ドル(約2兆円)を投じて新工場を米国アリゾナ州に建設すると発表しました。
じつは、半導体の生産量と技術力で業界をリードしているのは、台湾の台湾積体電路製造【TSMC】と韓国のサムスン電子なので、インテルとしては、これを巻き返したいという狙いで巨額投資を決定しました。
つぎに、先端半導体の主要メーカーである台湾積体電路製造【TSMC】が、2021年1月に最大280億ドル(約3兆円)の記録的な設備投資を既に計画していましたが、世界的に半導体不足していることを受けて、
2021年4月、半導体の生産能力を強化するため今後3年で1000億ドル(約11兆円)を投じる計画を発表しました。
同社は尽きない半導体需要に対応するため、その生産能力の増強をはかる準備にとりかかっています。
このように、半導体の生産のかかる最大手である2社が、巨額の設備投資をして半導体不足に対応すると銘打っているわけですから、その業績アップの波に乗らない手はないと思います。
米国政府が資金投入
半導体産業は米国の輸出品のなかでトップ5にはいる輸出品です。
そして米国で作られる半導体の80%以上が、海外の顧客企業向けで、米国は460億ドルを輸出しています。
しかし、その半導体の供給が不足している事態に、いまは直面しているわけです。
そこで、米バイデン大統領が2021年2月24日、370億ドルの連邦政府投資を行い、半導体の供給不足に対応する、と宣言しました。
この宣言は大統領が、米国はもちろん世界にとって半導体産業が極めて重要な存在であると認識している証拠になります。
また大統領は、半導体の供給不足によって自動車の製造に遅延が生じ、そのために米国の労働者たちの勤務時間が削減される結果になった点も強調していたので、大統領の本気度が伝わります。
政府資金が投じられ半導体産業が盛り上がれば、労働者がうるおうことになり、その結果米国がうるおい、世界もうるおう。
そういう流れを作りたいと、大統領は言っているです。
まとめ
半導体というのは、実は私たちの生活のなかに非常に密着しているもので、衣・食・住・半導体、と言っていいぐらいに生活に必要なものです。
なぜなら、半導体を使っている携帯電話やパソコンを使って、ブログを書いたり、読んだりしているからです。
そう考えると、半導体産業に落ち目が来るとは、想像がつきません。
また過去30年を振り返ったとき、多少の上げ下げはあるものの半導体の売上高は伸び続けていて、今では4倍の400億ドルに達しています。
今回、主に自動車業界を中心に半導体が不足する事態が起こっていますが、これについては、台湾積体電路製造【TSMC】やインテル【INTC】といった、半導体の生産にかかわる最大手の企業が、巨額の設備投資をすることで対応することと発表しています。
また、米政府においても370億ドルの連邦政府投資を投じて対策をする!と銘打ってますので、心強いと感じています。
以上の4つの理由から、半導体産業には、まだまだ伸びしろがあって躍進していく産業だと考えています。
ちなみに370億ドル、約4兆円というのは、三井物産やJTの時価総額相当の規模になります。