総合洋食レストランがストなどを経営するすかいらーくHDが、株主優待の内容を変更することを、2020年9月10日の15時に発表しました。
内容は予想できるように改悪な内容でした。
具体的にどのように改悪に変更されたのか?売上や配当はどうなのか?簡単に確認していきます。
株主優待を改悪した【すかいらーくHD】
株主優待の内容変更
2020年9月10日に、株主優待の内容変更を発表しました。変更前後でどのように変更されたのか確認していきます。
保有株式数 | 変更前 贈呈金額(年間合計) | 変更後 贈呈金額(年間合計) | 改悪率 |
100~299株 | 6,000円 | 4,000円 | △33.3% |
300~499株 | 20,000円 | 10,000円 | △50% |
500~999株 | 33,000円 | 16,000円 | △51.5% |
1000株以上 | 69,000円 | 34,000円 | △50.8% |
すかいらーくHDの株主優待は、毎年6月末と12月末時点の株主を対象に実施されておりますが、今回は表を簡単に見やすくしたかったので、年間合計という形で提示します。
表を見てもらえばわかるように、保有株式数にもよりますが、株主優待の贈呈金額が33.3%~51.5%も減額しています!
結構な減額ですね!!
株主優待が大きく減額されたことは、翌日の株価にも影響するはずです。
株価、チャート
- 株価 1,521円
- 配当利回り 1.25%
- 優待利回り 2.63%
- 総合利回り 3.88%(配当金+株主優待贈呈額)
株価はバリンジャーバンドの端から端へとワープするように下落し、コロナショック時につけた1,400円付近に届きそうなくらいに下落しました。
投資家にとってそれだけセンセーショナルな発表だったということです。
つぎは配当金をみてみましょう。
配当金
まずは2019年までの配当金推移を振り返ります。
2016~2018年の間、配当性向を上げてでも配当金という株主還元を減配せず継続していましたが、残念です。
高配当株投資家として、非常に残念です。
2019年からは、成長投資に利益を充当するために、配当性向を30%前後を基本に配当する方針のようです!
つまり、営業利益が多い時は配当金も多くなるけど、営業利益が少ない時は配当金も少なくなるということです。
配当金は、安定した金額を支払ってくれないと、高配当株投資家としては、不安しかありません。
株主への方針
2020年上期はコロナ禍のために、経営環境が大きく変化したため、営業利益は181億円の赤字で、前年と比べて292億円も差がでました。
配当性向を30%前後を基本に配当する方針なので、営業利益がマイナスであることから、2020年中間期は無配となり、通期についても未定ということです。
配当金や株主優待にたいする方針から、すかいらーくHDはどう考えているのか?
企業方針の考察
すからーくHDは、株主優待は何がなんでも存続させる一方で、配当金は無配にしています!
ここから何がわかるのか?私の浅いながら考察します。
配当金を無配にしてまで、株主優待を存続させる理由は
- 配当金を支払っても、その配当金の使い道は株主次第である
- 株主優待をグループ店舗で使用されることで、波及効果がある
解説していきます
配当金の使い道は株主次第である
配当金が支払われたら、当たり前ながら、その使い道は株主次第です。
食費に使おうが、携帯料金に使おうが、配当金再投資に使おうが株主の自由です。
例えば、配当金が食費などに使われた場合、すかいらーくHDにはメリットがありません。
しかし、株主優待券であれば優待券を使おうとグループ店舗に来店してもらえるので、その場合、売上向上に貢献できる可能性があるため、すかいらーくHDでは、配当金よりも株主優待の方に重きを置いているのだと考えます。
来店されることで、波及効果がある
繁忙する時間帯に、あなたは初めて入る飲食店に、お客さんが全くいないのと、混雑しているのとでは、どちらに入店したいと思いますか?
私は後者です。
お客さんが少なすぎて入店することをためらったことって、一度は経験したことがあると思います。
だから、お店側の気持ちとしては、『さくらでもいいから、お客さんがいてほしい』はずです。
お店には株主優待券を使わないともったいないからと、来店してくるお客は絶対にいます!
こういうお客さんが、実は次のお客さんを呼んでいます。
これが波及効果です。
お客がお客を呼ぶ!
これは、食べ物系フェスでも実証されています。
たくさんの店舗が並ぶ中で、あなたは人気の店舗の商品を食べたくなるはずです。
一見の店舗ばかりの中から人気の店舗を探すための人気バロメーターは、行列です!
だからお店側は、わざと行列ができるようにゆっくりと調理したりする店舗もあります。
行列のわりに美味しくなかった店舗!ありませんでしたか?
身に覚えのある方は、お店の戦略にハマった方です。
何が言いたいかというと、
すかいらーくHDの株主優待を重視する姿勢は、売上を上げたいからだと私は考えています。
基本、売り上げが増えれば、利益も増えるからです。
まとめ
すかいらーくHDは株主優待を33~51%減となるように改悪しましたが、配当金に至っては2020年中間期は無配です。
すかいらーくHDは、株主還元について配当金を支払うよりも、株主優待を支払うことに重きを置いていることがわかりました。
これは、店舗に足を運んでほしいという企業の願いの表れだと私は推察します。
企業の願いを叶えるべく、Go to イートを利用して来店してみますか?