ダ・ヴィンチと聞いて何を想像しますか?と問われたならば、その多くの人は芸術家であるレオナルド・ダ・ヴィンチを想像すると思います。
しかし、今日はロボット手術システム「ダ・ヴィンチ」の開発・製造・販売を手掛けるインテュイティブ・サージカルについて紹介していきます。
ロボット手術という言葉は、医療ドラマドクターXやブラックペアンなどで登場したことがあるので、医療ドラマ好きの方なら一度は聞いたことがあると思うのですが、腹腔鏡手術を支援するシステムのことです。
ロボット手術をすることで、従来の開腹手術と比べると傷を小さくし、入院期間を短くすることが期待できます。
また、鉗子(手の役割をするハサミ)操作をするロボットには手ぶれ防止機能があることで、人の手で鉗子を操作する従来の腹腔鏡手術よりも正確な手術が可能となっており、主に外科・婦人科・泌尿器科領域で使用されています。
このようにダ・ヴィンチは外科手術に革新をもたらしている手術支援システムで、米国を中心に、アジア、ヨーロッパなど世界各地で設置されています。
前置きが長くなりましたが、インテュイティブ・サージカル【ISRG】が手掛けるダ・ヴィンチは、ライバルが少ないこともあって、今後も飛躍していく公算が高いです。
インテュイティブ・サージカル【ISRG】は、配当金をだしていないので、グロース株投資家さんやキャピタルゲイン投資家さんには魅力のある銘柄だと思うので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
概要
先ほど紹介したように、インテュイティブ・サージカル【ISRG】は、外科手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を製造・販売しています。
そして、それに付随する内視鏡、内視鏡開創器具・解剖用器具、外科用メス、鉗子、電気メス、 超音波カッターなどの手術用具も製造し、世界各地で販売しています。
また、ダ・ヴィンチで施術するということは、ロボット操作という特殊な技量が求められるので、手術医への研修といったサービスも行っています。
コロナ禍において、手術全体の件数が落ち込んだことで、ダ・ヴィンチの出番は少なくなっていますが、これは一時的な問題なので、悲観することはないと考えます。
収益性
売上高と営業利益の推移
上の図は、直近の10年間の売上高と営業利益の推移を表したものです。
売上高ですが、2014年は前年比-5.9%、2020年は前年比-2.7%と減少しましたが、10年間の推移でみると、右肩上がりに売上高を大きくしています。
とりわけ2015~2019年にかけては、売上を倍に増やしていることから、2020年はコロナウイルスのパンデミックさえなければ、45億ドルをこえる史上最高の売上高を記録していたかもしれません!
あと、【ISRG】の営業利益率ですが、30%を超えている年が10年の中で8回もあることから、かなり効率よく稼いでいることがわかります。
第一四半期決済
第一四半期決済の売上高、営業利益の推移
2021年4月21日に発表された第一四半期決済の内容から、
売上高は、前年同期比17%増の12.9億ドル(市場予想は 11.1 億ドル)
と好調でした。
また、「ダ・ヴィンチ」の売上台数も、前年同期比26%増の298 台(市場予想は225.83 台)
とこちらも好調な結果となっています。
ワクチン接種が進んでいることを背景に、院内感染を嫌気して手術を先送りにしていた患者たちがもどってきたことで、手術件数が復活してきたからです。
ちなみに、1株当たり利益(一部項目を除く)は3.52ドルと、市場予想の2.65ドルを上回る好実績を残しています。
財務健全性
簡単に財務健全性についてもみてみましょう。
まずは株主資本比率ですが、約87%とかなり高い水準となっています。
アップルやAmazonのそれが20~30%であることを考えると、インテュイティブ・サージカル【ISRG】がいかに保守的かわかると思います。
そろそろ配当をだしてもいいんじゃないかなぁ。
つぎに流動比率ですが、686%となっています。
これは短期間(1年程度)の企業の支払い能力を分析する指標であり、150%から200%もあれば短期的な支払い能力に問題はないと、されているところを686%ですから、会社がすぐに傾くことはないと言えます。
っていうか、これだけの支払い能力があるのなら、株主に配当をだしてもいいんじゃないかと、ますます思ってしまいます。
つぎにキャッシュフローの確認していきます。
キャッシュフローの推移(10年間)
2017年に大きく財務CFが下がっています。
これは、これまでに抱えていた借金のほとんどを、この年に清算したことを意味します。
(上のバランスシートで、株主資本比率ですが87%と高かった理由がわかりましたね)
そして、2018年以降のキャッシュフローは
- 営業CF ⇧⇧⇧⇧⇧⇧
- 投資CF ⇩⇩⇩
- 財務CF ⇩
と、期首残高よりも期末残高が増えるような、健全なキャッシュフローとなるように運営されています。
また、2013年、2014年ではあまり設備投資をしていないときは借入金の返済をしていますし、
2015年、2016年には、設備投資をするときに、足りない資金分だけ借り入れているということがわかります。
つまり、このような動きからも財務健全な姿勢が伺えるということです。
将来性
通年の業績は好調で、財務も健全です。
それにともなって株価も上昇しているので、企業の勝ち組としてのサクセスストーリーを歩んでいるといえます。
患者への負担が少ないロボット手術は米国内外で普及してますが、新興国などでまだ成長余地があります。
またロボット手術の適応症例も、外科や婦人科、泌尿器科以外の整形外科などの分野でその適応が拡大しているので、ダ・ヴィンチの需要は尽きないといえます。
チャート(株価)
上図はインテュイティブ・サージカル【ISRG】の株価とS&P500種指数との動きを5年にわたって比較したものですが、【ISRG】がS&P500種指数を約300%アウトパフォームしていることがわかります。
そのぶん、コロナショック時の下落幅が最大36%減となったことから、値動きの激しさも伺えます。
50週および200週移動平均線が右肩上がりに平行移動して、強気相場であることが明白です。
2020年末に株価とRSIとでダイバージェンスを起こし、その後、50週移動平均線をサポートにするように下落しました。
つぎに、2021年4月にも株価とMACDとでダーバージェンスを起こしていますが、こちらはまだ下落していません。
つまり、目先の株価は最高値を更新するかもしれませんが、ダーバージェンスを起こしていて、下落するかもしれないということです。
まとめ
今日は、5年でS&P500種指数を3倍アウトパフォームしたヘルスケア銘柄【インテュイティブ・サージカル:ISRG】を紹介しました。
同社は、ロボット手術支援システムであるダ・ヴィンチの開発から販売までを手掛けていますが、手術医への研修といったサービスも行っています。
そして、通年の業績は好調で、財務も健全な優良企業でした。
株主への配当は出していませんが、株価の上昇という形で株主還元を果たしていますので、目先の株価はダイバージェンス後に下がるかもしれません。
しかし、株価が下がるまで待とうとする、株価が下がらなかったときに、機会損失をこうむってしまうので、得策ではありません。
よって私は、【PayPay証券】をつかって、少しずつ買い足していこうと思います。
【インテュイティブ・サージカル:ISRG】の株価は、1株=871ドルとかなり高額ですので、1,000円から同社に投資ができる【PayPay証券】は、サラリーマン投資家の財布にやさしいうってつけの証券会社だと言えますね。