資産運用をはじめたものの、なにに投資をすればいいのか迷ったときの解決方法のひとつに、著名投資家(有名人)の戦略に乗っかる!という手段があります。
ちなみに、私は簡単に分散投資ができるETFが好きなのですが、
その私の大好きなETFをポートフォリオの中に複数取り入れているヘッジファンドがあります。
それは、ヘッジファンドの帝王ことレイ・ダリオ氏率いるブリッジウォーター・アソシエーツです。
従来、ヘッジファンドというのは、個別株に集中投資することで市場平均をアウトパフォームすることを狙っていますから、ETFを組み込んでいるファンドは比較的少ないんです。
しかし、ブリッジウォーター・アソシエーツは複数のETFを組入れながらも高いパフォーマンスを維持することで、投資家達から多額の資金を預かり運用しています。
そこで、レイ・ダリオ氏率いるブリッジウォーター・アソシエーツが、どのようなETFを保有しているのか確認して、自身のポートフォリオに取り入れたくなるものがあるのか検討したいと思います。
ようするに、ETFだけでもレイ・ダリオ氏の作っているレシピをパクれないか?ということですね。
ブリッジウォーター・アソシエーツの保有するETF11選
今日の記事で選出するのは、ブリッジウォーター・アソシエーツが運用するETFのなかから、
- 2020年12月31日付け
- ポートフォリオの1%以上を占めている
- 大手ネット証券で購入できる
以上の条件をみたしたETFを紹介していきます。
とは言っても、11ものETFがありますから、簡単な紹介となっています。
米国
S&P500種指数に連動する投資成果を目指すETFで、S&P500種指数の全構成銘柄を組み入れています。
両社のトータルリターンに大きな差がないことから、IVVのほうが経費率が低く魅力的なように見えますが、ブリッジウォーター・アソシエーツ的には、SPYのほうが好みのようです。
テクノロジー、ヘルスケア、金融で過半数を占めています。
50週および200週移動平均線が平行移動しています。
少なくとも、5年以上は強気相場が続いている証拠ですね。
米国への投資は、SPYとIVVとあわせると15%です。
ブリッジウォーター・アソシエーツのETFからは、米国への集中投資感はみられません。
新興国
VWO+IEMG+EEMが占めるポートフォリオの比率は、10.3%です。
金融、テクノロジー、一般消費財の3つで過半数を占めていますが、円グラフをみるかぎり、比較的まんべんなくセクターを分散しています。
直近の1年はS&P500種指数をアウトパフォームしています。
これは、中国が早い段階でコロナウイルスを抑え込み、経済活動を再開させたためだと考えています。
ゴールド
ファンドは金に投資していて、金地金の価格のパフォーマンスを追跡しています。
ゴールド(金)に関するETFのパフォーマンスは、差はないと考えられるので、経費率の低いほうがいいと思います。
2019年から続いた強気相場も、2021年に50週移動平均線を下に突き抜けてしまったことで、価格は200週移動平均線まで下落する可能性がでてきました。
ブリッジウォーター・アソシエーツのゴールドの保有率は、GLDとIAUをあわせると7%前後になるわけですが、これはインフレヘッジとして保有していると考えられるので、
自身もゴールドに投資をする場合には、ポートフォリオの7%を目安に検討するといいと思います。
中国
中国の大型株に投資し、FTSE中国50インデックスに連動する投資成果を目指したETFです。
今日紹介するETFのなかでは、経費率は高めです。
価格が下がって、配当利回りが3%を超えたとして、5年成長率(CAGR)-0.14%では、高配当銘柄としてみることはできません。
一般消費財と金融だけで過半数を占めた割合となっています。
チャートのパターンは新興国のもの(VWOなど)と酷似しています。
中国に投資するなら、個人的にはCXSEをおすすめのETFとしています。
その理由は、CXSEのほうがFXIよりも、経費率が安いうえにパフォーマンスも優れているからです。
先進国
米国または、米国とカナダを除く世界の先進国を中心に、大型・中型株に投資するETFです。
米国を除いた先進国の5年トータルリターンは、米国の半分以下です。
米国が強いと言われる所以ですね。
VEAは、西欧・アジア太平洋地域を中心に、世界の大型・中型株を保有しています。
セクターは比較的分散されています。
社債
社債ETFのなかには、HYG(iシェアーズ iBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF)やIGLB(iシェアーズ長期社債ETF)などがありますが、ブリッジウォーター・アソシエーツが採用している社債ETFはLQDです。
LQD(iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債)は、米ドル建て投資適格社債で構成される指数に連動する投資成果を目指すETFです。
企業が出す債券ですから、そこまで利回りが高くありませんし、増配もしておりません。
50及び200週移動平均線が、長期にわたってゴールデンクロスを維持していますから、強気相場であることは明白です。
しかし、2020年から価格とRSIとではダイバージェンスの関係が続いており、下落待ちのじょうたいでした。
そこへ、価格が直近の安値を割り込むことでダブルトップを形成し、50週移動平均線も下に突き抜けてしまいました。
こうなると、目先は$127付近まで下落する公算をたてることができます。
まとめ
ブリッジウォーター・アソシエーツが運用する11あるETFを紹介しました。
この中から、もっとも私が買い付けを検討したくなったETFは、IEMGです。
まずSPYやIVVを選ばない理由ですが、米国への投資については、つみたてNISAの枠内でS&P500種指数に連動した投資信託をすでにつみたてているからです。
また、中国に投資をするならFXIよりもCXSEのほうを推しますし、
ゴールドについても、インフレヘッジの手段が暗号資産のほうに流出していることから、弱気と判断しています。
あと、米国以外の先進国にも魅力を感じませんし、社債については、配当利回りが3%を超えるほどに価格がもし下がれば検討するかな?ぐらいです。
したにある新興国の指数チャートを眺めてみると、長年レジスタンスとなっていた1200ポイント台を上に突き抜けています。
よって、新興国株式の時代が再来するかもしれないため、新興国ETFには興味をもっていました。
そこでVWO、IEMG、EEMを比較したとき、5年トータルリターンに大きな差がないのに、IEMGだけ配当金の5年成長率(CAGR)が3.12%と、他のETFがマイナス成長ななか、毎年増配とはいかないもののCAGRがプラス成長であるところを評価しました。
ようするに、VWO、EEMよりもIEMGのほうが、もらえる配当金が多くなりそうだから、IEMGを選択したということです。
最後に、ブリッジウォーター・アソシエーツが、2019年第4四半期から、ETFの保有率を下げて個別株投資に力をいれているので、そちらの情報もカバーできればなぁと思っています。