先日、ゴールドマン・サックス、JPモルガンチェース、などとウォール街で肩を並べる金融機関のひとつであるモルガン・スタンレーの商品部門幹部二人が、チャットアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」などを使用し、コミュニケーションツールに関する規則に違反したとして、退社を命じられました。
このニュースを聞いた率直な感想は
- まずワッツアップって何?
- アプリ使っただけでクビになるの?
- 株価への影響は?
以上のことが気になったので、調べてみました。
ワッツアップ(WhatsApp)
「ワッツアップ(WhatsApp)」は、海外で主要な連絡手段のSNSとして利用されていて、そのダウンロード数はインスタ、フェイスブック、ティックトックを抜いて1位の地位を築いています。
しかし、日本人の多くはコミュニケーションツールにLINEにしかなじみがなく、ワッツアップをあまり知りません。なぜなら、ワッツアップの日本での普及率は7%程度という報告があるくらいになじみが全くないからです。
ワッツアップを知らなくても、はずかしがる必要はなさそうです。
ワッツアップについて知ろうと、検索して得られた情報によると、
LINEみたいなアプリ!(ざっくりすぎる笑)でした。
タイムラインがないとか、ゲームがないなどの差はあるようですが、両アプリともスタンプ機能や既読機能もあり、コミュニケーションツールとして比較した場合には大差がないと感じられました。
では、なぜモルガン・スタンレーの商品部門幹部二人がLINEに似ているコミュケーションツール、ワッツアップを使用したことで退社することになったのか?
アプリの脆弱性や性質
一部の金融機関などではワッツアップなどのコミュニケーションツール(アプリ)の使用が許可されていません。
それにはもちろん理由があります。
2019年5月にハッカーがスパイウエアを使って個人の携帯電話に侵入できる脆弱性が、ワッツアップに見つかったとして、ユーザーに更新を呼び掛ける事態がありました。
つまり、電話一本でスマホを乗っ取ることができた!そのような事態があったわけです。(もちろん対応済)
また、ワッツアップには利用者とその連絡先の居場所を追跡できる機能があります。この機能を使って、社員がいつ、どこで、だれと会話をしているのか、などの内部情報を知ることができます。裏を返せばそれらの情報が流出するリスクがあるということにもなるわけです。
よって、ウォール街など金融機関を中心に、業務上ワッツアップなどのコミュニケーションツールの使用を制限しているわけですが、金融機関だけではなく国連でも職員に対して、安全性やプライバシー保護の観点からワッツアップの使用を禁止しています。
チャート
モルガン・スタンレーは商品部門の幹部二人を社内規約違反を理由に退社に追いやったわけですが、株価には影響はでたでしょうか?
モルガン・スタンレーのチャートを見る前に、金融株全般(XLF)の動きをざっくりおさらいしてみると、
2020年10月になって、50日移動平均線と200日移動平均線とでゴールデンクロスしていますから、強気相場への移行を予感させますが、直近の6カ月の株価は横ばい、もしくは集束するような動きとなっています。
これは、FRBのゼロ金利政策によって、銀行業が儲けにくくなっていることが背景にあるためです。
モルガン・スタンレーの株価は、7月に50日移動平均線と200日移動平均線がゴールデンクロスして、強気相場入りしましたが、株価上昇の勢いは強くなく、MACDおよびRSIとダイバージェンスをしています。
ダイバージェンス後の株価は、直近の高値から約13%下落し$46付近まで落ち込むも、200日移動平均線がサポートとなって、いまは反発しています。
RSIが70に達していないことやMACDの傾きなどから、株価はまだ上昇しそうです。
さきの金融株全般(ETF:XLF)と比べても、モルガン・スタンレー株からは強気相場な印象を受けます。
商品部門顧問の規約違反など、なかったかのようなチャートを示しています。
ワッツアップは、フェイスブックの子会社なので、フェイスブックの株価も一応確認しますが、こちらは200週移動平均線をおおむねサポートとして反発上昇を続けています。
余談ですが、インスタグラムもフェイスブックの子会社です。
まとめ
モルガン・スタンレーの商品部門幹部二人が、チャットアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」などを使用し、コミュニケーションツールに関する規則に違反したとして、退社を命じられたことを紐解いてみました。
すると、ワッツアップは日本でいうLINEのようなアプリ(ツール)で、世界的に使用されていますが、そのセキュリティ面や性質上に問題があることがわかりました。
よって、ウォール街の金融機関や国連でもワッツアップの使用は禁止しています。
金融株全体が横ばい相場であるなか、禁止事項を破った職員のいたモルガン・スタンレーの株価は、強気相場であり株価は上昇を続けそうです。