個別株投資をはじめるときに、どの銘柄に投資をすればいいのか迷ったときの解決方法のひとつに、著名投資家(有名人)の戦略に乗っかる!という手段があります。
そこで今回の記事では、投資の神様ことウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが、2021年第2四半期に購入した銘柄のひとつ、
クローガー【以下KR】を紹介していきます。
クローガーは、それなりの配当金を支払っているので、インカムとキャピタルゲインのいずれも狙える銘柄となっています。
よって、いろいろな投資家さんに読んでもらえたら嬉しいです。
概要
【KR】は米国全土で、スーパーマーケットやコンビニエンスストアや薬局チェーン店、あと子会社などを通じて流通倉庫や、食品製造工場を所有・賃貸している企業です。
日本で生活していても、コストコやアマゾンにはなじみがありますが、【KR】にはあまりなじみがないと思います。
しかし、【KR】は米国全土で出店しているので、ウォルマートやコストコ、アマゾンなどに並ぶ大企業です。
- 株価 40.12ドル
- 配当利回り 2.09%
- 配当性向 25.32%
- 連続増配年数 15年
- 過去5年の増配率 11.5%
今は株価が上がっているために、配当利回りが少し低めになっています。
収益性
上の図は、過去5年間の売上高と営業利益の推移を表したものです。
売上高をながめると、2020年1月のそれは前年比0.9%と微増し、2021年1月までの売上高は、前年比8.4%と増えています。
コロナ禍で売上高が少し減ったところを、2021年では巻き返した形です。
営業利益についても、前年から23.5%増やしていますし、2018年以降からは右肩上がりな推移をみせています。
よって、収益性については大きな問題はないと考えます。
第2四半期決算
2021年9月に発表された、第2四半期決算のトピックは以下の通りです。
- 売上高…前年同期比 4%増の316億ドル(市場予想は307億ドル)
- 粗利益率…21.4%(市場予想は 22.0%)
- 調整後EPS…0.80ドル(市場予想は0.66ドル)
売上高は伸びていますし、調整後EPSなども市場予想を概ね超えているため、好調と言えます。
また、2022年通期のガイダンスについても、上方修正しているので、今後の成長に期待できそうです。
- 調整後EPS…3.25~3.35ドル(従来予想 2.95~3.10ドル)
- 営業利益…3.9~4.0憶ドル(従来予想3.5~3.7億ドル)
- フリーキャッシュフロー…19~21億ドル(従来予想は18~20億ドル)
財務健全性
つぎに、簡単に財務健全性についてもみてみましょう。
まずは株主資本比率ですが、約20%と低い水準となっています。
しかし、アップルやAmazonのそれも20~30%であることを考えると、【KR】の株主資本比率が特別低いとは言いきれません。
よって、違う指標もみていきます。
では、流動比率をみると、81.37%となっています。
これは短期間(1年程度)の企業の支払い能力を分析する指標であり、150%から200%もあれば短期的な支払い能力に問題はない、とされている指標です。
この指標が81%しかないので、財務性についてちょっと心配になってきましたね。
短いあいだで不祥事などがないことを祈ります。
つぎに、キャッシュフローも確認しますね。
営業CFは2019年以降増加傾向ですし、一定の投資や借金返済をしながらも、フリーCFを着実に増やしてきています。
つまり、お金の流れは潤沢に動いていることが確認できました。
チャート
過去2年間の週足チャートを一目均衡表をつかってみてみると、三役が好転しています。
- 転換線が基準線を上にクロス
- 株価が雲の上
- 遅行線が株価の上
つまり、強気相場であるということです。
2020年の第4四半期から2021年の第一四半期のあいだは、一時株価が低迷していましたが、雲をサポートに盛り返していました。
しかし、2021年の9月に株価を16%ほど急落させています。
これは、決算に対して投資家による事前の期待が高すぎたからです。
収益性のところで言った通り、決算じたいはよかったので、期待しすぎからの失望感のほうが大きかったために、株価が下落したのだと推察します。
株価は下落していますが、まだ三役は好転を維持しているので、次の株価上昇を期待できると考えます。
まとめ
投資の神様ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが2021年第2四半期に買った銘柄のひとつ、【KR:クローガー】を紹介しました。
【KR】は、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオのまだ0.81%しか占めていませんが、少なくとも5期連続で買い増しされています。
私の調べた限りでは、5期連続で買い増された銘柄は、【KR:クローガー】だけです。
よって、バフェットの【KR:クローガー】に対する期待は大きいと考えます。
私になりに、収益性や財務健全性、チャートなどをしらべた結果、流動比率の低さだけ気になりました。
流動比率が低いということは、簡単に言えば自転車操業状態ですので、何かの不祥事なので売上が落ち込めば、いっきに倒産となりかねません。
こういったことも鑑みて、銘柄選定をしていきましょう。