
投資家なら、Oxfordインカムレターの特別レポート【永久に持っておきたい6つの高配当米国株】の存在を、一度は聞いたり、見たことがあると思います。
こういうやつです ⇩
ここで紹介されている6つの銘柄を買うか買わないかは置いといて、
このレポートを書いたOxfordクラブのチーフ・インカム・ストラテジストであるマーク・リクテンフェルド氏が、
どのような数字・指標をみて、永久に持ちたい高配当米国株を選別しているのか
紹介していきます。
そして最後には、紹介した指標をしらべるためのサイトも紹介していきます。
配当利回り

高配当株投資をするわけですから、配当金をどれだけ支払っているのか、その実績を知っておく必要があります。
そこで真っ先に気になる指標が、配当利回りです。
レポートにある6つの高配当株の配当利回りは、1.87%~8.11%(2021年11月時点)と幅広いです。
私の感覚だと高配当株と言われると、配当利回り3%以上を想像するんですが、配当利回り3%未満の銘柄が2つもありました。
よって、永久に持つのであれば、配当利回りは必ずしも大きな数字である必要はない!みたいです。
とは言うものの、やっぱり高い配当利回りの銘柄のほうが気になりますよね。
そういう場合は、VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)の配当利回り(2.79%:2021年5月時点)を参考に銘柄を選別するのも一つのアイデアだと思います。
つまり、配当利回り2.8%以上を高配当銘柄として、購入を検討するのはアリかもしれません。
注意点①
配当利回りが高い場合に注意するべき点が2つあります。
まずひとつめは、特別配当です。
特別配当とは、企業の創立〇〇周年記念や、きわめて業績が良かった決算期に、その利益の一部を割り増して株主に還元することです。
とある日本株のはなしですが、高配当銘柄を探していて、配当利回りが3.7%という銘柄をみつけたので、詳しく見ていくことにしました。
すると、2021年12月の予想配当が急に爆上がりしていることに気が付きました。

なので、もっと詳しく調査すると、この企業はかなり業績がよかったことに対して特別配当をだすと発表していました。
よって、翌年の2022年には2021年を上回る配当金を出さない公算が大きく、従来通りの配当金だと配当利回りも4割ほど少なくなってしまいます。
特別配当にだまされるな!
このようなケースがあるので、配当利回りが高いというだけで銘柄を選ぶことは、危険だとわかります。
直近の配当金が特別配当ではないことを確認しましょう。
注意点②

2つ目の注意点は、株価の低迷です。
上で紹介した配当利回りを計算する式を思い出してください。
配当利回りを計算する分母に株価があります。
よって、分母である株価が下がれば、おのずと配当利回りが大きくなります。
なので、配当利回りが高くなっている理由に、株価の低迷が影響していないかを調べる必要があります。
株価が暴落していないか注意する!
A製薬会社の配当利回りをみてみると5.62%となっていたので、株価を確認しました。
すると、その株価は過去の5年間のなかでほぼ最低水準の株価にまで下落していました。

株価が下がるのには、基本的に何かしらの原因があることで、投資家達から警戒されている状態です。
簡単に言うと、人気がないことを意味します。
配当利回りが高いことに魅力を感じる気持ちはわかりますが、
- 株価の確認
- 株価が低迷している理由
- 今後の株価上昇は期待できるのか?
- 減配する可能性は?
これらも加味する必要があります。
配当利回りが高いというだけで、飛びつくと、やけどしますよ。
配当性向

配当性向とは、純利益(税引後利益)の中から、配当金をどのくらい支払っているか表した指標です。
つまり、配当性向が高い会社は、株主に多くの利益(配当金)を還元していることになります。
しかし、これが高ければ高いほど良いと言うわけではありません。
配当性向が高すぎる、つまり株主にばかり利益を還元すれば、そのぶん会社に資金が残りませんので、設備投資などがしにくくなります。
よって、配当性向はある程度、適正な数値でなければなりません。
では適正な数値(配当性向)とはどのくらいか?
会社の利益を、社員・会社・株主の3等分で分けた場合を想定すると約33%になるので、これを標準的な配当性向とすれば覚えやすいと思います。
ちなみに、『永久に持っておきたい6つの高配当米国株』の配当性向は、41.25%~89.33%でした。

利益の分配が、少し株主に偏っている傾向がありますね。
そして、6つのうち4つの銘柄については40%台にとどまっていました。
よって、永久に持っておきたい高配当株の配当性向は40%前後が妥当ではないかと考えます。
5年間の配当成長率

5年間の配当成長率という言葉も特別レポートの中でたびたび出ていました。
5年間でどれだけ増配したのかが、大事ということです。
高い配当金をもらっても、徐々に減配している、つまり配当に成長がみられない銘柄なら永久に持ちたくありませんよね。
だから、配当金が年々どれだけ増えていっているのか?を知っておく必要があるわけです。
『永久に持っておきたい6つの高配当米国株』それぞれの5年間の配当成長率は、小さいもので1.61%、大きいもので17.95%でした。
そして、5年間の配当成長率の平均は6.20%でした。
いずれの米国株も5年間という期間でみれば増配しているわけですが、そのうちの一社は2019-2020年の2年間で減配していました。
さらにもう一社は、今後減配が予定されている銘柄でした。
よって、ここでも5年間の配当成長率という数値だけを見るのではなく、
- 減配の有無
- 配当金の推移
- 今後の見通し
などにも注意したほうがいいと思います。
フリー・キャッシュフロー

フリー・キャッシュフローや、株価/キャッシュフロー比率という言葉もレポート内では使われていました。
全て解説すると長くなるので、基本的なフリー・キャッシュフローについて説明します。
会社が自由(フリー)に使える現金(キャッシュ)をどれだけあるかを示すもの
よって、これが多い会社や経時的に増え続けている企業ほど、経営状態が良好だと判断できます。
フリー・キャッシュフローは一般的に、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引くことで求められます。
特別レポート『永久に持っておきたい6つの高配当米国株』では紹介されていないアップル(AAPL)を参考に、5年間のキャッシュフローをみてみると、

出典:マネックス証券
若干の上げ下げはあるものの、推移でながめるとフリー・キャッシュフローが増えていることがわかります。
このように、(簡単ではあるが)キャッシュフロー、つまり現金の流れを把握すれば、その企業の経営状況が把握しやすいです。
永久に持ちたい高配当株を探すときには、企業の経営状況やその方針にも目を光らせたいですね。
4つの指標の調べ方

ここまでは、『永久に持ちたい高配当米国株』を探すための4つの指標を紹介しました。
- 配当利回り…2.79%以上は欲しい
- 配当性向…40%程度
- 5年間の配当成長率…6%程度
- フリー・キャッシュフロー…経時的な増加傾向
つぎは、これらの指標をどのように調べればよいのか?を紹介します。
Seeking Alpha

配当利回り、配当性向、5年間の配当成長率、この3つを調べたいとき、私は【 Seeking Alpha 】を使っています。
ここは英語のサイトですが、ブラウザの翻訳機能のおかげで全然簡単に使えます。
また、上記の3つの指標以外にも、増配年数はもちろん、収益性や成長性を評価するのに必要なさまざまな指標を確認できます。

出典:Seeking Alpha
さらに、各指標についてセクターの中央値もわかるので、同業種との比較も簡単にできますから、めちゃくちゃ便利なサイトです。
【関連記事】Seeking Alphaの紹介!高配当米国株 投資家の神ツール

マネックス証券の銘柄スカウター

出典:マネックス証券
フリー・キャッシュフローの推移だけは、マネックス証券の【銘柄スカウター】を使っています。
マネックス証券の口座をお持ちでない方は、各々が開設している証券会社のツールでも、フリー・キャッシュフローを確認できると思います。
でも、長期的なキャッシュフローの推移を確認しようと思うと、【銘柄スカウター】に敵うツールはありません。
上図でしめしたように、10期以上のキャッシュフロー推移を、グラフでパッとみて確認できるのは、マネックス証券の銘柄スカウターだけです。
ちなみに、配当利回りと、配当性向については、銘柄スカウターでも容易に確認することができますよ。
【関連記事】米国株のスクリーニングなら【マネックス証券】の銘柄スカウターがおすすめ

【関連記事】マネックス証券の銘柄スカウターをプロフェッショナル機能で利用するためにやるべきこと

まとめ
Oxfordインカムレターの無料メルマガに登録することで読める、特別レポート【永久に持ちたい6つの高配当米国株】のなかで、
米国株を分析するときに使われている4つの指標を紹介しました。
- 配当利回り…2.79%以上は欲しい
- 配当性向…40%程度
- 5年間の配当成長率…6%程度
- フリー・キャッシュフロー…経時的な増加傾向
高配当米国株の探す場合は、少なくともこの4つの指標ぐらいは把握しておく必要があると思います。
あと、配当利回りや配当性向が高すぎる場合は、その理由に注意した方がいいです。
【関連記事】Oxford インカムレター 無料メルマガに価値がある4つのポイント
