1万円から不動産投資ができるとしたら、あなたは興味がありますか?
不動産投資型クラウドファンディングというサービスをご存知でしょうか?
これは、不動産に関するプロジェクトにインターネット上で出資できる仕組みです。
不動産投資のメリットはそのままに、デメリットを軽減できる画期的な投資方法です。
この記事では、不動産投資型クラウドファンディングの仕組みや特徴、向いている人のタイプを紹介します。
不動産投資型クラウドファンディングとは何か?
はじめに、不動産投資型クラウドファンディングについて、簡単に説明します。
不動産投資型クラウドファンディングは、不動産に関するプロジェクトに少額から出資できるサービスです。
現物の不動産投資のメリットは、安定した収入や資産形成ができることです。
しかしデメリットとして、大きな資金や手間がかかることです。
不動産投資型クラウドファンディングなら、これらのデメリットを軽減できます。
不動産投資型クラウドファンディングの種類
不動産投資型クラウドファンディングの種類は、主に以下の3種類があります。
- 貸付型(または融資型:ソーシャルレンディング)
- 不動産投資型(ファンド型)
- 匿名組合型
- 任意組合型
貸付型(ソーシャルレンディング)
クラウドファンディングで集めた資金を使い、お金を借りたい企業に対し、不動産等を担保として融資します。
貸付型の場合、借入人の返済が不履行になった場合でも、担保不動産から貸金の回収を図れるというメリットがあります。
・オーナーズブック
・Funvest
・CRE Funding
匿名組合型と任意組合型の違い
匿名組合型とは、投資家がクラウドファンディング事業者との間でむすんだ匿名組合契約にもとづいて行う不動産特定共同事業です。
投資家は事業者に出資し、事業者は事業から得た利益の一部を、投資家に分配する仕組みのことを指します。
運用期間は数ヶ月から2年までのものが多いです。
- COZUCHI
- テクラウド
- CREAL
一方、任意組合型とは、投資家と不動産クラウドファンディング事業者との間でむすんだ任意組合契約に基づいて行う不動産特定共同事業です。
投資家が組合員として出資し、共同で事業を行う建付けです。
ただ実際は組合員はクラファン事業者を業務執行者として選出し、物件管理や資金管理にはその業務執行者にあてます。
そのため、投資家は分配金の支払を受けるのみとなる形が多くなります。
運用期間は比較的長い傾向があります。
・アセットシェアリング
・TSON(一部のファンド)
いやいや、むずかしいって!
ですよね。なので
実際の違いを表にまとめておきますね。
匿名組合型 | 任意組合型 | |
---|---|---|
基となる法律 | 商法 | 民法 |
不動産登記 | 事業者が登記 | 現物出資型の場合は組合員も登記 |
相続税 | 節税効果がない | 相続税評価額を圧縮できる |
運用期間 | 1年前後 | 数年 |
事業者との関係 | 出資者として参加 | 共同事業者として参加 |
責任の範囲 | 出資額に限定 | 無限責任を負う可能性がある |
個人的には、相続税への節税効果の有無が大きな違いだと思っています。
なので、ちょっと補足しますね。
任意組合型の節税効果について
匿名組合型では投資家は不動産の所有権を持たないため、相続税の節税効果はありません。
任意組合型では投資家は不動産の所有権を持ちます。
よって、仮に投資家が死亡した場合、その出資持分は相続財産として評価されます。
相続財産として評価される出資持分の額は、不動産の評価額に出資比率を乗じたものになります。
しかし、不動産の評価額は市場価格よりも低くなることが多いため、相続税評価額を圧縮することができます。
例えば、市場価格が2億円の不動産に対して、10%の出資比率で2000万円を出資した場合、相続財産として評価される出資持分は2000万円ではなく、不動産の評価額に応じて変わります。
不動産の評価額は、不動産取得時の登録免許税評価額や固定資産税評価額などを参考にして算定されます。
一般的には市場価格の7割程度になると言われています。
したがって、この例では、不動産の評価額は2億円×0.7=1.4億円となり、出資持分は1.4億円×0.1=1,400万円となります。
このように、任意組合型では、市場価格よりも低い評価額で出資持分を算定することで、相続税の節税効果が期待できます。
出資額が多いほど、その節税効果も大きくなりますね。
また、任意組合型では投資家が複数いるため、不動産の評価額を分割することもできます。
例えば、市場価格が1億円の不動産に対して、10人の投資家がそれぞれ1000万円ずつ出資した場合、各投資家の出資比率は10%です。
この場合、各投資家の出資持分は700万円となりますが、共有物件として分割することで、各投資家の出資持分は700万円×0.1=70万円となります。
このように、任意組合型では、共有物件として分割することで、さらに相続税評価額を圧縮することができます。
不動産投資型クラウドファンディングは、どんな人に向いている?
不動産投資型クラウドファンディングって、結局どんな人に向いているのでしょうか?
一般的に、以下のような人におすすめです。
- 不動産投資に興味があるけれど、大きな資金や手間がかかるのがネックだと感じている人
- 不動産投資の経験や知識がなくても始められる手軽な投資を探している人
- 複数の不動産案件に分散投資してリスクを低減したい人
少額で手間いらずな不動産投資
不動産投資に興味があるけれど、大きな資金や手間がかかるのがネックだと感じている人は多いと思います。
しかし、不動産投資型クラウドファンディングなら、運用会社にもよりますが、最低1万円から不動産投資ができます。
数百万円かかる現物の不動産投資から比べると、格段に安いです。
それに手間も省くことができます。
現物なら、不動産屋や銀行との融資のやり取りや、行政書士とのやりとり、物件の管理会社とのやりとりなど、さまざまな手間が発生します。
しかし、不動産投資型クラウドファンディングなら、運営会社が物件の選定や管理を行ってくれますので、便利でしかありません。
投資家はどのファンドに出資するか選択するだけなので、簡単明瞭です。
不動産投資の経験や知識がなくても始められる
現物の不動産投資をしたい場合は、
新築・中古、
マンション・アパート・戸建て
一棟所有・区分所有
都心物件・郊外物件など
さまざまな種類について、メリットやデメリットを理解しなければなりません。
また、
利回り
サブリース
キャッシュフロー
など、聞き慣れない内容についても理解が必要です。
しかし、クラウドファンディングなら、リスクの種類と、物件の概要を確認した後に、ファンドへの出資を申し込むだけです。
あとの償還されるまでの運用や管理は、ほったらかしでOK。
果報は寝て待て!の状態です。
ちなみにリスクの種類には、
・家賃下落リスク
・家賃滞納リスク、空室リスク
・物件価格下落リスク
・災害リスク、事件事故リスク
などがあります。
複数の案件に分散投資してリスクを低減したい人
現物の不動産投資では、ローンを組んで数千万円出資したり、数百万円で中古物件を購入する場合があると思います。
いずれにしろ高額であり、サラリーマン投資家の多くにとっては、これらの投資を始めると、他の物件に投資をする余裕がなくなります。
もし唯一の物件に半数以上の空室が出たり、地価が大きく下がり家賃収入が減額したときの不安は半端ないはず。
そこで不動産投資型クラウドファンディングを利用すれば、1万円から出資できるため、複数の案件に投資しやすくなります。
2023年4月時点で、5つの運用会社をつかって、9つの案件に分散投資をしているよ。
不動産というアセットを、簡単に分散投資できるクラウドファンディングのサービスは、魅力しかないので、ぜひ試して欲しいです。
どの運用会社がいいの?
先ほど言った通り、分散投資をするのなら、複数の運用会社に登録したほうがいいです。
だから「この1社だけおすすめ!」っという案内はしかねます。
リスクを許容して利回りの高いファンドに出資したという方には、COZUCHIなどがおすすめです。
リスクは抑えて、手堅く運用したいという方は、CREALなど上場企業の運用する会社がよいでしょう。
「ファンドへの応募作業を減らしたい」という方には、運用期間の長いファンドが推しです。
ゴコウファンドなどが運用期間の長いファンドを扱っています。
さいごに
不動産投資型クラウドファンディングは、不動産に関する事業に1万円から手軽に投資できるサービスです。
不動産のプロが厳選した物件に投資できるため、安心感があります。
また、不動産担保付きの貸付型や不動産特定共同事業型など、様々なタイプの案件から選ぶことができます。
不動産投資に関する手続きや管理は運営会社が行ってくれるため、手間がかかりません。
低金利の環境下で高い利回りを期待できる不動産投資型クラウドファンディングは、不動産投資の敷居を下げてくれる画期的なサービスです。
不動産投資のメリットを手軽に享受できる一方で、リスクも伴う投資方法です。
自分の目的やリスク許容度に合わせて、慎重にファンドを選ぶようにしましょう。