
不動産投資型クラウドファンディングのなかで人気の高いCOZUCHIですが、会社としてつぶれたりしないの?
倒産したら、預けたお金はもどってこないよね!
そういう投資家の言葉にお応えして、COZUCHIがつぶれそうな会社なのか?企業分析をしてみました。

分析の結果は、『ひとまず大丈夫』
となりました。
COZUCHIで運用中の投資家さんは、肩の荷が軽くなったと思います。
企業分析の手順は、
- 収益性
- 安全性
- 成長性
の順で評価していきます。
ちなみに企業分析の方法は、こちらの書籍で勉強しました。


これよりも有名な本もあるけど、これが一番初心者向きでわかりやすいです。
企業分析する前の注意点


COZUCHIはキャッシュフロー計算書を明かしてない
COZUCHIは公式で、損益計算書と貸借対照表は提示していますが、キャッシュフロー計算書はどこにも見当たりません。
そのため、会社のなかを現金(キャッシュ)がどのように流れている(フロー)か、わかりません。
これでは、売上代金の未回収や、仕入れ代金の未払いなどがあっても、知る術がありません。
キャッシュフロー計算書がないため、あくまで簡易的な評価になります。
よって、今回の記事では、損益計算書と貸借対照表をつかった分析のみとなりますので、ご注意ください。
COZUCHIの収益性


まずは、COZUCHIの収益性、つまり稼ぐ力をみていきましょう。
稼ぐ力をみるときは、売上高や営業利益、営業利益率、そしてそれらの推移を見ていくことが大事です!
COZUCHIの売上高、営業利益


営業利益(右軸)の推移
単位:百万円
COZUCHIの2021年度の売上高は、もっとも多かった2018年度にせまる、約52億円でした。
2019年度、2020年度と、一時はどうなることかと心配になる状況でしたが、2021年度には、過去2番目に大きい売上高を記録しています。
つぎに営業利益ですが、2021年度は過去最高となる、約4.8億円を突破しました。
COZUCHIの営業利益率
営業利益率をみるのは、会社が本業で利益を出せているのか?そして、効率よく稼いでいるか?を確認するためです。
営業利益率(%)=
営業利益 ÷ 売上高 × 100
営業利益率を計算すると、2016年度に2%しかなかったものが、2020年度7%、2021年度には9%と、稼ぎ方の効率がよくなってきました。
企業努力の賜物ですね。
19年、20年と厳しい時期もありましたが、5,6年の期間でみると、売上高、営業利益、営業利益率ともに、右肩上がりの傾向です。



COZUCHIの稼ぐ力は、年々向上している!
と言えます。
COZUCHIの安全性


会社を健康診断する(安全性をみる)とき、貸借対照表をみます。
表から以下の項目について確認していくことで、借金の返済能力などがわかります。
- 自己資本比率
- 流動比率
- 固定比率
- 固定長期適合率
COZUCHIの自己資本比率


会社が倒産するのは、借金が返せなくなったときですよね。
そこで、自己資本比率をみれば、すべての資産のうち、どれだけ自分のお金でやりくりしているのかを、知ることができます。
自己資本比率(%)=
自己資本(純資産)÷ 総資産 × 100
自己資本比率の数値が大きければ、少ない借金でやりくりしていることになり、
数値が小さければ、大きな借金をかかえながら、必死にやりくりしていることになります。
日本企業の場合、50%以上あれば安心でき、少なくとも30%以上の自己資本比率が欲しいと言われています。
COZUCHIの自己資本比率は、
696,986 ÷ 13,583,065 × 100 = 5.13 %
となりました。
自己資本比率が30%どころか、約5%しかないことに、足が震えるではありませんか!
『俺、資産家で10億円を運用している』と豪語している人が、実際は9.5億円の借金をかかえているような状態です。
『あんた、それで大丈夫?』って絶対聞きますよね?
心配になってくるかもしれませんが、最後まで慌てず、お読みください。
COZUCHIの流動比率


COZUCHIが自己資金の19倍もの借金(負債)を抱えていることがわかりました。
この借金を、1年以内にどれだけ返す力があるのか?をみるために、流動比率をみていきます。
流動比率(%) =
流動資産 ÷ 流動負債 × 100
流動比率が大きければ、短期的な借金の返済は十分可能ということになる。
逆に数値が小さければ、返済期日のせまった借金ですら、返すことが難しい状況だと示していることになる。
流動比率は、一般的に150%~200%あれば、安全と言われています。
つまり、返済の迫った借金の額より、すぐに現金化できる資産(株式など)額が、1.5倍から2倍あればいいよね!っという意味です。
COZUCHIの流動比率は、
9,624,763 ÷ 6,104,430 × 100 = 157.7 %
ぎりぎりですが、安全圏であることを確認できました。
よって、1年以内に借金(負債)返済が滞ることは、まずないでしょう。
COZUCHIの固定比率


流動比率をみて、短期的な借金返済能力はわかりました。
つぎに、中長期的な借金返済能力も評価するために、固定比率をみていきます。
すぐに売ることのできない、運用中のファンドなどが固定資産になり、これらをどれだけの自己資本で調達できたのか?
みてみましょう。
固定比率(%) =
固定資産 ÷ 自己資本(純資産) × 100
固定比率が小さければ安全と言われている。
固定比率は、100%以下が安全と言われているところ、COZUCHIの固定比率は、
3,958,301 ÷ 696,986 × 100 =
568 %
100%以下が安全と言割れているなか、5倍以上も安全圏からはずれてしまいました。
企業は借金をして、設備投資をするので、固定比率が100%を超えることは、しばしばある。
100%以上でも、安全な場合もありますが、さすがに568%は看過できません。
COZUCHIの固定長期適合率


固定資産と、自己資金のバランスが異常にわるかったので、深堀していきます。
そのために、借金(負債)の中身を、すぐに返すべきお金(流動負債)と長期間借りておけるお金(固定負債)にわけて、チェックします。
それができるのが、固定長期適合率です。
固定長期適合率(%)=
固定資産 ÷(自己資本+固定負債)× 100
固定長期適合率が100%を超えると、激ヤバです。
固定長期適合率が高すぎると、固定資産にかかるお金に流動負債も使っていることになるため、かなり危険な状態です。
COZUCHIの固定長期適合率は、
3,958,301 ÷(696,986 + 6,781,648)× 100 = 52.9 %
固定比率が500%を超えていたときは、どうなることかと震えましたが、



固定長期適合率が、100% 以下で一安心です。
ここまでをまとめると、
自己資金にたいして借金の割合が非常に大きい。
しかし、借金の返済が滞らないように、ギリギリやりくりしている。
年々、稼ぎ方は上手になってきている!
COZUCHIの成長性


企業が順調に成長しているのか?調べるために、売上高、営業利益、資産、負債などの推移を見ていきます。
それぞれがバランスよく大きくなっていれば、OK。
例えば、身長(売上)は伸びたのに、体重(営業利益)があまり増えていないと、ガリガリの体(バランスが悪い)になりますよね。
だから、それぞれのバランスが重要になります。
売上高と営業利益の推移


売上高と営業利益のトレンドラインをみたとき、どちらも右肩上がりに増え続けています。
そして、2016年から2021年で
売上高は、1.9倍に増え
営業利益は、9.1倍に増えています。
もしも、逆のパターン(売上高が9.1倍、営業利益が1.9倍に成長)だったら、COZUCHIの成長性に警笛を鳴らしています。
総資産と負債、純資産の推移


会社の総資産は、2018年を除けば、毎年大きくなっており、会社として大きく成長しています。
しかし、それとほぼ同じように負債も大きく増え続けているので、純資産の上昇率もあわせてみてみましょう。
会社を大きくしつつ、純資産もより大きく増やしています。
借金の割合が多いことに変わりはありませんが、COZUCHIには、このまま稼ぎまくってほしいですね。
純資産はもっと増えている!?
さきほど、2016年から純資産は5.3倍に増えていると計算しましたが、やり方次第では、もっと大きくできたはずです。
なぜなら、COZUCHIの運用するファンドは、想定利回りを超えるような運用をしているからです。


でも、COZUCHIは配当ポリシーとして、想定以上の利回りをだしても、自社だけで甘い蜜を吸うのではなく、投資家と折半する方針にしています。
自社の蓄えを増やすよりも、投資家に還元しようとする姿勢に、私は信頼を寄せちゃうな〜。
CREAL(クリアル)とCOZUCHIの比較


COZUCHIの同業者に、CREAL(クリアル)という上場企業があります。
これまでに調べた指標を、同業他社と比べて評価することで、COZUCHIの安全性などをみてみましょう。
2021年度 | 安全圏 | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
売上高 | 106億円 | 52億円 | |
営業利益率 | 10%~ | 3% | 9% |
自己資本比率 | 30%~ | 9.5% | 5.1% |
流動比率 | 150%~ | 102% | 158% |
固定比率 | ~100% | 122% | 568% |
固定長期適合率 | ~100% | 88% | 53% |
比較結果を要約すると、
以上が、私の見解です。
1│売上高 2倍
2│自己資本比率 (COZUCHIに勝ってるけど低い水準)
3│中長期の負債返済能力 ちょっとまし
1│営業利益率 効率よく稼ぐ
2│1年以内の負債返済能力 問題なし
どちらも、長期的な負債返済能力が、少し弱いので、注意が必要です。



上場企業に匹敵するCOZUCHIの活躍に、今後も注目していきたいです。
COZUCHIの公式サイトは、こちら。
まとめ
不動産投資型クラウドファンディングの中で特に人気のCOZUCHIについて、『会社がつぶれたりしないか?』企業分析をしました。
その結果、『すぐには潰れない』と判断しました。
たしかに、たくさんの借金をしているので心配になりますが、その返済能力まで悪いわけではありません。
短期にしろ、長期的にしろ借金の返済は、ぎりぎりできるような財務状況を保てています。
COZUCHIは稼ぐ力を年々バージョンアップさせ、効率よく稼いでいるので、すぐには倒産しないと私は判断しました。


COZUCHIに投資をすれば、想定利回り以上のリターンを狙うこともできるので、私も会員登録をして、ファンドへの出資を始めています。
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COZUCHI以外の会社については、こちらの記事で紹介しています。

